ここに近況報告とかどうでもいいこと書くと個人ブログっぽくて好き　やる人

2535 名前： ◆x0SRSoJXe.[] 投稿日：2020/06/01(月) 20:09:50 ID:gXJ6xvfY0 [3/31]

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はやてに連れてこられたのは、バーだった。
てっきり、ブライドル地下の大衆食堂で夕飯を済ませて解散、といった展開を
予想していたのだが。

戸惑う自分の手を取ったまま、はやてが真鍮のドアノブを捻る。
洋風の内装の室内は薄暗く、ほんのりと蒼褪めたライトで照らされていた。
さっきまでいた水族館と、少しだけ似ている。

落ち着いたピアノの音が流れる店内には、そこそこ人がいるように見えた。
カウンター席はまばらだが、テーブル席はカップルや仕事仲間と思しき人々が
談笑しながらそれぞれの料理を口に運んでいる。

カウンターには、金髪を後ろに流して固めた壮年の男性が立っていた。
バーテンダーらしくシャツにベストを着こんでいる。
顔つきは白髪や小じわが老いを表していたが、どこか少年のようでもあった。
優しく丸い目をはやてと自分に向けると、静かに目を細めた。
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2536 名前： ◆x0SRSoJXe.[] 投稿日：2020/06/01(月) 20:16:25 ID:gXJ6xvfY0 [4/31]

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　　　　　　 ⌒7.: .: .: / |.: .:.|.: | : :/ ,.斗ミx＼.: |.:.:.:| 斗tミx:.:|.: .: :| : : .: |
　　　　　　　　.: .: .: /　j : : |:八.: :〈　ノ,ハ 　 )八.:.|　ノ'ハ 〉|.: .: :| : : .: |i
　　　　　　 　 |.: .: /　/.: .: .: .: .:＼乂∨ツ 　 　　＼ ∨'ツ　|:.: .: .: .: .: :||　　　　　　マスター、ご飯お願いな！
　　　　　　 　 |.: :/　/.: .: .: .: : /∧⌒, ,　　　 　 　　　, ,　　 |.: .:/.: .: .: 八
　　　　 　 　 人:(　/.: .: .: .: : / :|:∧　　　　　_`＿＿_　　　 八/.: .: .: /　 ＼　　　　　んっと、パスタ二つ、辛くないの。
　 　 　 　 　 　 　 '.: |.: .: .:/|√.:|.:|込　　　 {　　 　, , ) 　　厶ｲ.: .: .:./＼＿∧
　　　　　 　 　 　 |.: :|.: .:./八ニ.|.:|:::|　＞ .,　　--　 ,. イ　／.: .: .:／ニ／ ニ|　　　　　「はやてちゃん、バーに夕飯目当てで来るもんじゃないぜ」
　　　　　 　 　 　 |.:八.: √ﾆ ＼|.:|:::| 〔| ／＼＞＜／＼/.ｲ .: ／ニ／ ニニ〕
　　 　 　 　 　 　 j　/ Vニﾆﾆﾆ|八 |_／　＼〈:i:i:i:i:i〉／ ∨.:／:::|／ニニニxミ　　　　　ええやん、マスター、普通の料理もいけるし？
　　　　　　　　　　　| 　|ニニニ|:::::::＼|　＼.　〉= 〈　 / /:ｲ:::::::::|＼ ニニ/　　',
　　　　　　　　 　 　 ＼|ニニニ| ::::::::: |＿　　〕:i:i:i:〔./_/::: |:::::::: |ニ|ニニ{ 　 　}　　　　　他のお客さんも似たようなもんやろ。
　　　　　　　　 　 　 　 |ニニ/~|／⌒人　　 /:i:i:i:i:〔　 ):::/＼ニニﾊ＼ 八　　ﾉ
　　　　　　　　 　 　 　 |_／/ニニ〈::::::::::＼__{:i:i:i:i:i:〔／ /:::::::::〉ニﾆ.}:::::＼ニ７
　　　　　　　　　　( ＼ |:::::::|ﾆ／⌒＼::::::::＼｀¨¨¨¨｀ ::/:::::／ ￣＼:}:::::::∧ﾆ{
　　　　　　　　　　 ＼ ＼( ＼::::-―‐-＼::::::::＼{:::::::／_ -~:::::〔￣〕:八::/::::∨
　　　　　　　　　　　　＼__　------ミ＿:＼::::::::}:／::-‐……‐-:::::/::::/:／:::}
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はやてに連れられて一直線にカウンター席へと座りに行った。
少し足が浮く細身の椅子に座るのは、少々不安定で落ち着かない。
いや、そもそも、こんな雰囲気の店に連れてこられた時点で落ち着かないが。

砕けた口調ではやてと会話を交わしながら、店主がこちらを横目で見た。
ちらりと視線が向いた、といったものではなく、検分するような視線だ。

「親戚の子かなにか？」

「ううん、後輩。ご飯食べさせたげよう思うてな」

「そっかそっか。はやてちゃんの趣味ってそんなだったかなと」

店主とはやてが二人してけらけら笑う。
からかわれているようで、少しだけ虫の居所が悪くなった。
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2537 名前： ◆x0SRSoJXe.[] 投稿日：2020/06/01(月) 20:22:43 ID:gXJ6xvfY0 [5/31]

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　　|:.:|:.:.:|:.:|:|:.:.:|:.:.:.:|斗ぅ＝ミ :|:.:.:.:.:|ｧう＝ミ: |:.:.:.:|:.:.:.:.: |
　　|:.:|:.:.:|:.:|:|:.:.:|:.:.:.:{　)いﾊ　从:.:.:.:.|　)いﾊ Y:.:.: ﾉ:.:.:.:.: |　　　　　　　　じゃ、せやなぁ……日頃お疲れさんちうことで。
　　|:.:|:.:.:|:.:|ﾍ:.人:.:.:　乂;;ツ　　 ＼:.| 乂;;ツ 从:.Λ:.:. /:.|
　　|八:.:.|:人:|:.＼＼ト''　　　　　　　　'''　　/:.:.:/　}:.:.:.:.:.|　　　　　　　　　乾杯っとな。
　　 　 ＼ 　 |:.:.:.:.:.八　　　　 '　 　 _,　　 /彡/_,ノ:.:.:.:.:.:|
　　　　　　　八:.:.:.:.:.个　　　｀　　　　　　 イ:.:.:.:| :.:.:.:. |:.|
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　　　 ／:.:./ :.:.:.: ∨:. :. Λニ=‐‐=ﾆﾆﾆﾆ|:. :. :. :. :. :./:.八
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はやてが思い出したかのようにオレンジジュースを二つ頼むと、
店主は手早く小ぶりの瓶を取り出して栓を開け、グラスに注いで出してくれた。
アルコールを頼む気はないらしい。

どうやらカウンター内の端っこがキッチンになっているらしく、
店主が女性店員に小声で指示を出しながら料理の用意をしだした。

乾杯をしてから、ここはよく来るのかと訊いてみた。
はやては「ちょくちょく飲みにくんねん。なのはちゃんの愚痴聞くのが大半やけど」と
苦笑いを浮かべた。なのはが愚痴るところなど見たことがない自分にとっては、
あまり想像できなかった。

それだけ、はやてには心を許しているということだろう。
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2538 名前： ◆x0SRSoJXe.[] 投稿日：2020/06/01(月) 20:28:32 ID:gXJ6xvfY0 [6/31]

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　　　　　／ノ　　ヽ_＼
　　　 ／ （ー）　（ー ）＼　　　　　　　　今日は結構楽しかったですお。なのはさんとお出かけってのも新鮮だったし。
　　／　⌒ （__人__） ⌒　＼
　　|　　　／ζ⌒|　　　　　|　　　　　　　いつも仕事の話とか、なんか教えてもらってたりばかりだから。
　　 ＼　 ゝ　.(⌒)　　 　 ／　ｽﾞｽﾞｰ
　　 ／　/　　|￣　　　　 ＼
　 　|　 /　　 |　　　　　　　 |

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グラスを傾け、中の氷を鳴らす。

思い付きではあったが、言ってみるものだなと思った。
かつての海の生態系を見られたのもそうだが、なのはとプライベートな時間を
過ごすのは初めてに近いことだったからだ。

彼女と過ごす時間はいつでも訓練か仕事だ。
さすがに私生活で色々と一緒になるような仲ではない。
あくまでも、リンクスと担当オペレーターに過ぎないのだろう。

そこで、ふと疑問が沸き上がった。
なぜ、なのはははやてを呼んだのだろうか？
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2539 名前： ◆x0SRSoJXe.[] 投稿日：2020/06/01(月) 20:37:15 ID:gXJ6xvfY0 [7/31]

　　 　 　 　 　 　 ,　-　ー―　- 　 ..
　　　　　　,　 '": : : : : : : : : : : : : : : : : :＞ ..
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　　,. ' : : : : : ヾ,ィ: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ＼
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./: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ヽ: : : ヽ､:',
' : : : : : : /: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ､: : : : :'､: ヽ:.',ヾ､
: : : : : : /: : : : : : : : ,: : : ', : : : : : : : : : : : : ヽ.: : : : ', : ',:.!
: : : : : :,': : : : : : : : /ミ彡ヽ: : : : : : : : : : : : : :',: : : ,ｨ',､ ',:!
: : : : : :i: : !: : : : : :i!　　　　',:',: : : :､ : : ', : : : : ',:／／!:',: !
: : : : :, i: : !: : : : : :i　　　＿ ,:i､: : : :!,: : :',: : !,: : ',ｲイ.ﾉ:/ﾘ　　　　　　あの子、ああ見えて自信があらへんのや。
: : :!: :i: ! : i: : : : :', ',　´　　　ﾘ ヽ: : :!',: : i:.!: !',: : :!,イ: i　i!
: : :! : i: ',: :i: !: : : :ヾ､　　　 -―-'､: ! ': : !ﾘリ !: : !.!: : i　　　　　　　　私の方が人付き合い上手いちうて、やる夫君のことを一緒に見てもらおて
: : :!: : !: !,: !:!ヽ: : : !,,ィ示千キ''ヾ ヾ　',: !=＝''!:/! i: :,'i!
: : :!: : ! i ヽ',). ', : : ',`＜Z汐　　　　　i i/　　　!'ヾ',!/ i!　　　　　　　　頼んできたんやろなあって。
: : :',: : ', ヽ､`- ヽ: : ', 　 　 　 　 　 　 ヽ　　　.,: : :ヽ、
:.i!: :',: : ',: : : ヽ_ノ､ヾ'､　　　 　 　 　 　　　　,.ｲ: : : ',､ヽ　　　　　　　　ま、なのはちゃんなりの気遣いや。
:.!i: : ',: : '､: : : :! ヽ:`　､ 　 　 　 -=＝'　 , イ!,､ヽ., -- ､',
:i !', : '､: : ヽ: : ヽ　'､: ヽ',＞　　 ＿_　.イ : !i:!ゝイﾆ￣　.'､
:i i:.'､: : 〉､ : ',､: : ＼ ',: :',ヾ　/､｀ー-, ￣￣r‐'‐'　　　　　',
',',',: i'､/,　ヾ: ', ｀ヾ､ヽ!:i:i`ヾ''!_ヽ　 i!i　　　 ヽﾉ丶 　 　 　 ',
ヾヾ./ ヾ、　ヾ､　　 `i:iﾘ　 /;;;;;;ヽ. ゞ==---、 　 ヽ. 　　　 ',ヽ､__
　　/　　 ヾ､　　 　 　 ﾘ,i! /;;;;;;;;;;;;;ヽ 、　　　ヾ、.　 ゝ､　　ノｲ／::!
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深く考えずに口にしてみると、はやてはなんてことないように所感を述べた。

やはり、不思議だ。
彼女からしてみれば、そこまでする義理などないはずなのに。
自分にリンクスとしての立場を用意して、愛機を譲って、オペレーターを担当して、
更には教育と訓練まで施して。

一体、何が目的なのだろうが。
それだけが、なのはに対する疑念にも似た思いとなり、微かに、
けれど確かに根付きつつあった。
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2540 名前： ◆x0SRSoJXe.[] 投稿日：2020/06/01(月) 20:39:31 ID:gXJ6xvfY0 [8/31]

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　　　　　　　　|:.:.:|:.:.:|:| ｀i|ｌ　 　 |／ ｀i|l　　 Ⅵ : 厂↓:.:.:|　　　　　君をほっとけへんってのもあるんやろ。私もほっとけへんし。
.　　　 　 　 　 V八:八 　l|ｌ　　　　 　 l|l　 　 |:|:./k6｜:.:.:|　
　　　　　　　　　|:.:;′, , ,　　 　 　 　 　 , , 　|八　　ﾉ:.:.:.:|　　　　　それに、君はなのはちゃんの教え子や。
　　　　　　　　　|八　　　　　　 　 ＿　　　　　　 イ:.:.:.:.:.:|　
　　　　　　　　　|:.:个:..,　　　　 Ｖ　 ﾉ　　　　 イ|:.:|:.:.:.:.|八　　　　　戦闘、常識、教養。他にも、精神的なものも受け継がせようするんが
　　　 　 　 　 　 八|:.:.|:.:.:i:.:‥┬　　　￢≦∨八 |:.: Ν
.　　　　　　　 　 　 乂{＼|:.//￣＼／￣V　 | ￣ |八|　　　　　　　　親ってもんや。
　　　　　　　⊂⌒＼　 /￣　|＼ｨ只ﾄ ／|⌒　　　 |/-ｧ冖つ
　　　　　　　(＿　ィﾆV 　 　 |ニ|/Λ |ニ|.　 　 　 /ﾆ(　 ⌒＼　　　　「親？　なのはさんがですかお？」
.　　　　 　 　 　 |ニニ＼＿ノﾆﾆ∨//- 人＿＿ /ニﾆ＼＿_ ﾉ
　　　 　 　 　 　 ＼二二＼ニニﾆ∨二二二二/ニニ /　　　　　　　育ての親みたいなもんやろ、あそこまできたら。
　　　　　　　 　 　 )＼ニニニニニ|ニニニニ＼二二/＼
　　　　　　　 　 ／　　＼／::|二二|ニニニニ/: ￣| 　 　 ヽ　　　　　　あ、なのはちゃんには内緒な。いてこまされてまうわ。
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　　　　　　 　 {　　　　　 |::::::｢ニニニニニﾆﾆ｝:::::: |　　　　|





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／ 　　 （●） 　（●） ＼　　　　　歳の差的には、少し離れた姉くらいですけど。
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./　　　　 ∩ノ ⊃　　／　　　　　　
(　 ＼　／ ＿ノ　|　 |
.＼　“　　／＿＿|　 |
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育ての親という表現にはしっくりきた。
今の自分の基準は、ほとんどなのはが教えてくれたものがベースとなっている。
人との話し方からフォークの握り方一つに至るまで教えてもらった。

親が子を育てる行為に似ていなくもない。
母と呼ぶには、いささか歳が近すぎるし、そこまで親密でもないが。
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2541 名前： ◆x0SRSoJXe.[] 投稿日：2020/06/01(月) 20:43:33 ID:gXJ6xvfY0 [9/31]

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　　　　　　　　　　　　　厂｀:..:..:..:..:..:..:..:..:＼:..:/Λ＼
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　　　 　 　 　 　 　 :..:..:..:..|::|ｆ竹うY:|::|::竹うﾞY:..:..|:..::|:|:　　　　　　　ま、それはさておき、や。
　　　　　　　　　　 ::|:..|:..::乂__ Ｖり |ﾉ:..ﾉ ﾋツ ||:..|:..::|:|:|
　　　　　　　 　 　 |:|l::|l::＼ ト- ''' 丶　 　 ''　八 :..:..|:|:|:　　　　　　　ずっと聞こう思うて聞けへんかったことがあんねん。
　　　　　　　 　 　 |八|＼:トミ人　 ゝ　 ′イ|:..|::|:..::|:|八
　　　　　　 　 　 　 　 　 ﾉ八::厂 ＞　　-Λ:|:..|::|:..::|‐→　　　　　　　「ど、どうぞ」
　　　　　　 　 　 　 　 　 ｲ|:::/Λ ィ｛___ /　 八|::|:..::|／ Λ
　　　　　　　　　　　　　　l:|::′　} |__／ |　|　 ﾉ人:..|　 / Λ　　　　　　おおきに。
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　　　　　　　　　 / : : : : /: : : ヽ: : : : : : : : : : : : : : : : : :ヽ: : : : '.,: :',
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　　　　　　　!.:.,': ! : : : : ',: : : :!-‐-',: : : : : : :',, -―-: ､:',´, イ!/: : : i : i
　　　　　　　!: i!: i: :i : : : ',: : : !　　 ',: 、: : : : i!: ', :_:_:_:',: ',イ／! : : : !: :i　　　　　　　　　自分、いつまでネクストに乗り続けるん？
　　　　　　　i: !i: :i : !: : : :.',: ,ィ示≧､:ヽ: : : : i:',彳ん示気: !: :i: : : : ! : :!
　　　　 　 　 ',i !: ',: :',: : : : ',`　iし::心ヾ!ヽ: : :!i:!　iっ::::刈 i!: :,': : : :,': : : ',　　　　　　　　
　　　　　　　　', ',: ヽ:ヽ: : : ヽ 弋Zツ　　　ヽ:.!i!　弋Z:汐 /:./: : : /: : : : :'､
　　　　　　　　 ヽヽ!ヾ､:,.-､ : ヽ､　　　　､　 ヾ　　　　　/ : /: : : /､:.!: : : : :',
　　　　　　　　 　 /:./ /　／ﾘヾィヽ、　、 　　 ,　　　 ,ｲ : /: : : /　 ヽ､: : :ヽヽ、
　　　　　　　　 ／イ /　/　 ／　 ,.　ヽ　￣￣　 　 彡/: /: : : /　　 ／ヽ : : ヽ
　　　､ 　 　 ／ｲ　 i　　 　 '　　　､i!_ ﾉ　　　　　, イ .,': /: : : /ヽ　/　　　ヽ: : : ',
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2542 名前： ◆x0SRSoJXe.[] 投稿日：2020/06/01(月) 20:49:08 ID:gXJ6xvfY0 [10/31]

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　　　　　　　　　　　|:.:.:.|:.:|:.:.:.:.:|（　)Jハ　ヽ:ﾉ　Vヅ　　｜ |:.:.:.:.:.:.:.:. |
　　　　　　　　　　　|:.|八 |:／⌒　　Vツ　　　　　:.:''　 /:|:.八:.:.:. ||:.:.:|:.　　　　　　……で、一生、死ぬまでネクストに乗り続けるつもりなん？
　　　　　　　　　　　|:.|:.:.／ / /　〉､ ,,:.　 丶　　　　　人:|/: |:.|:. 八:. |:.|
　　　　　　 　 　 　 ／￣　〈 /／_込　　　 ｰ　 ´　／ :|　|:.:.|:.||/ﾉ:.}ノ八　　　　　なのはちゃんかて、目的が達せられたら、それ以上は求めんやろ。
　 　 　 　 　 　 　 /　　／￣　￣⌒ヽ ＞　　　 イ　　ﾉ　|:.:.|:.||￣￣＼:.＼
　 　 　 　 　 　 _/＼　　　　／|:.:.「￣　 　 /{　　　 ／.　 |:.:.|:八　　 　 ヽ:.:i　　　　後は君の自由や。降りるも乗り続けるんも。
　　　　　　　　/: ＼　 -イ　　ﾉ:.:.:| Γヽ　/　＼　/Λ　　|:.:.|(　　　　 　 |:.:|
　 　 　 　 　 /: : : : : : ー{　⌒7:.:.|八　 ∨　 ／_ﾉﾉ　＼八八　　　　　　|:人
.　　　 　 　 〈: : : : : : : : /､ 　 {:.:. |　 　 ﾉ{__/{⌒い　　/／＼　　　　　　＼

2543 名前： ◆x0SRSoJXe.[] 投稿日：2020/06/01(月) 21:00:04 ID:gXJ6xvfY0 [11/31]

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　-‐…‐-
　　　　　　　　　　　　　　　　　 _.､-''" .: .: .: .: .: .: .: .: .｀丶、
　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ／⌒: .:／.: .: .: .: .: .: .: .: .: .:＼.:＼
　　　　　　　　　　　　　 ／／⌒ヽ(.: .: .:.:＼.: .: .: .: .:.＼.: .:＼.:＼
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.　　　　 　 　 　 　 　 / : .: .: : : | :i⌒ヽ : .:| : : |＼ .: .: :＼.:＼.: .: .: : .
　　　　　　　　 　 　 /.: .:.|.:.: .: .:| :|　　 |.:.:.|.:.:.／￣￣＼ :| .: 〈∨〉 : :.
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　　　　　　　　 　 /.:|.: :| :|.:.:.: .:.:|八　　| .:j||.: .:|　_|__|_.:/ ///:|.:.|: .: .: |
　　　　　 　 　 　.:. .:|.: :| :|.:.:.: .:.:| xfて㍉.:ﾘ|.: .:|'⌒て（~"Y/.:.:|.:.|: .: .: |
　　　　　　　 ／.: .: :|.: :|八 : .: 八 　_):刈　|.:.八 　 _):狄ﾘ| .: 八| .: .: :|　　　　　君は私たちとちゃう、独立傭兵や。企業からの圧力もあらへん。
　 　 　 　 ／⌒7.: : |.: :|.: .:＼.: .:.:ヽ乂少　j/　　　∨'少'.: .:/,ノ.: .: .: :|
　　　　　　　 　 |: .:八.: .: .:＼:＼.:〈⌒, ,　　､　　　　, ,　厶ｲ.: .: .: .: .: :|　　　　　　ぶっちゃけ、一生を普通に過ごせる額は稼げたやろ？
　　　　　　　 　 | /　 ＼(＼: ＼:::込　　　　 _　　 　 　 ｲ.:.:.: .: .: .: /.: |
　　　　　　　 　 |:　　　　＼⌒＼ .: 个　 　 　　　　／/.: .:/.: .: .: /.: : |　　　　　　　君自身はどないしたいんや。
　　　　　　　　　　　　／.: .:./r＜＼.: .: .＼:＞-＜　 /￣/ .: /.:./､.: .:.|
　　　　　　　 　 　 ／:r＜＿_||"^＼＼.: .: .＼＿__／∧/／/.:./／＼:|
　 　 　 　 　 　 ／ : ／⌒＼八　　 ＼＼.: .:| ＼_／〈∧＼.:.://　／￣￣|
　　　　　　　 ⌒7 :〈 　　 　 ∨￣￣￣￣|.: |〉 /⌒＼　|:::::V/.／ 　 　　∧
　　　　　　　 　 {.: 八 　　　/ ／　　　　.八∧∧:i:i:i:ｉ:|＼:::::: 〈　　　　　/⌒＼
　　　　　　　　 ／　　　　ｒ＜　　　　　 /:::::::::〈　＼:ｉ:ｉ|　 |＼::::〉　 　 　 ＼＼ |
　　　　　　　 /　　　　 ／＿＿＿＿／::::::::::/ :＼ |⌒ヽ |::::::＼~"''～､、　＼＼
.　　　　　　 /　　_.､-''":::::::::::::＼::::/＿＿__/::::::::::::|:|:i:i:ｉ:ｉ|::::::::::::￣|:::::＼:＼　＼＼
　　　　　　_.､-''"　/:::::::::::::::::::::::::V:::::::::::／::::＼::::::＼:i:i:i:|:::::::::::::::::厂〕:::::Y: ＼__|.　＼
　　　　 ／　　　 ./:::::::::::::::::::::::::::::}:/: ／:::::::::::::::::::::::::::〈⌒〕:::::::::::/￣:::::::::}::::::|　＼　　＼
　 　 ／　 　 　 ノ:::::::::::::::::::::::::::::::/::::::｀`～､、　:::::::::::::::＼|:::::::::/::::::::::::::::八::: ＼　＼　　＼
　　/　　　　　　〉''"ﾟ~~"''～､、:::〈::::::::::::::::::::::::｀`～､、:::::::::ヽ／::::::::::::::: /::::::---:L　　￣＼ ＼
.　/　　　　　　/''"ﾟ~￣~ﾟ"''::::::＼|:＼:::::::::::::::::::::::::::::::::｀`～､_|__／:::::::::/:::::＿::::::::∧　 　 　 ＼ ＼
　 　 　 　 　 /::::::::::::::::::::::::::::::::::∧:::::＼::::::::::::::_::::::::::-‐＝:::::|::::／ :: /〉／:::::::::::/::∧　　 　 　 ＼ ＼

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
言葉に詰まり、打って変わって神妙な顔つきとなったはやてを見つめるばかりになる。
そんなこと、考えたことなかった。

一生、そんな長い間を指す言葉など使ったこともない。
自分は恐らく、人よりも刹那的な考え方なのかもしれない。

今日を、明日をリンクスとして生き、戦場へと飛び立つ。
それ以上のことなどなかった。

降りたとしてどうなる。何かすることがあるのか？
普通に暮らせたとして、何がある？
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

2544 名前： ◆x0SRSoJXe.[] 投稿日：2020/06/01(月) 21:04:18 ID:gXJ6xvfY0 [12/31]

　　　　　　　 ＿＿＿_
　　　　　　／　　 　 　＼
　　　　 ／　─　 　 ─　＼
　　　／ 　 （●） 　（●）　 ＼
　　　|　 　 　 （__人__）　 u.　 |　　　　　…………。
　　　 ＼　 　　｀ ⌒´ 　　 ,／
　 　 /⌒ヽ　 　ー‐ 　 　ｨヽ
　　 / 　　　 　,⊆ニ_ヽ、　 |
　　/　 　 ／　r─--⊃、 　|
　　|　ヽ,.ｲ　　 ｀二ﾆﾆうヽ.　|

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
店主から受け取った皿の片方をはやてから差し出される。
挽肉とトマトソースが絡められたパスタの皿から立ち上る湯気を見ても、
一緒に渡されたフォークを握りしめて食らいつく気にはならなかった。

リンクスを辞めたところで、自分には何もない。
したいこともするべきこともない。誰かが待っているわけでもない。

ネクストは、自分が思っていた以上に、自分の全てだった。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

2545 名前： ◆x0SRSoJXe.[] 投稿日：2020/06/01(月) 21:13:12 ID:gXJ6xvfY0 [13/31]

　　　　　　　　　　　 　　＿＿_
　　　　　　　　　_.､-''"´ .: .: .: .: .: ~"''～､、
　　　　　　　 ／.: .: .: .: .: .: .: .: .: : ＼.: .: .: ＼
　　 　 　 ／⌒.: .: .: .: .: .: .: .: .:＼.: .: ＼.: .: .:.＼
　　　　 /.: .: .: .: .: .:／⌒ : .: .:.: .: ＼ : .: .: .: .: .: ＼
.　　　 /.: .:.| .: |.: .:∧( : : .: .: .: .: |. .: .: .: |.: .: .: .: :. |
　　　/ .: | :| .: |.: .:|'⌒ヽ.: .: : |.: .:|＿_| .: |.: :|.: :|.: : |
.　　 .:.:|.: | :| .: |.: .:|　 　 }.: .:: |'".:| : /|＼|.: :|.: :| .: :|　　　　　　　　もし、答えられへんちうなら、君はネクストを降りるべきや。
　　 :| :|.: | :| .: |.::八⌒　jﾊ .: | :斗tミx.: .|.: :|.: :|.: 八
　　 :| :|.: |八.:.:|.: .:.:y^うx: |: :ﾊ.:/ _ノﾊ Y.: :/).:.|.: .: .:＼　　　　　　　こない因果な稼業、進んでやるもんとちゃう。
　　 :| :|.: |: .: ､.: .:.:.:乂Vﾂ |/　 　 ゞ''" 厶ｲ|.: .:|.: .: ＼ :＼
　　 :|八八.: .:(＼.:. :〈' '　　､ 　 　　' ' / {.: |.: .:|.: .: .: .:＼:(＼　　　　　なのはちゃんへの義理を清算して、どっかで静かに暮らせばええ。
.　 　 　 ＼＼.:＼＼込　　　､　一　 . :.八.:|.: .:| ￣|＼＿＼: ＼
.　　　　　　　 ＼.: .:|.:| :＞　.,　　 ／／ﾆ∧ .: .| //|:::: ＼|￣＼ )　　　千載一遇やと思うねんけどな。人生やり直せるチャンスがあるなんて。
　　　　　　　　　八:|.:|＼ :＼　「ニニニ〈 ∧.: :〈　 |￣／|　　　＼
　　 　 　 　 　 /.: : |.:|＼＼.:.Ⅵ::.＼ニニ〉⌒＼:＼|／　 |　　　　厂＼
　　　　　　　 /.: ..:/|八:: ＼＼:|::::∨￣〈/」　　|:＼(　　　|＼__／　 　 |
　　　 　　　　.: .:./_.〕／_____＼j::::::::. 　　〈/＼ |::::: ＼ 　 |　 〈＿＿＿__〕
　　　　　　　|.: |￣|￣￣￣＼:|:::::::::::.　　| ///|:＼__∧ /＼　＼　　　　 ＼
　　　　　　　|:/|　 |　　 ＼　 /|::::::::::::|＼／￣:|:::::::::|:::L(＿_＼__＼______＼ ＼





　 　　　＿＿＿_
　　　／　　 　 　＼
　 ／　　─　 　 ─＼　　　　　　……やり直すほどのこともしてきてませんお。
／ 　　 （●） 　（●） ＼
|　 　　 　 （__人__）　 　 |　　　　　やる夫は、今までの人生で、何もしてこなかったから。
./　　　　 ∩ノ ⊃　　／
(　 ＼　／ ＿ノ　|　 |
.＼　“　　／＿＿|　 |
　　＼ ／＿＿＿ ／

2546 名前： ◆x0SRSoJXe.[] 投稿日：2020/06/01(月) 21:20:26 ID:gXJ6xvfY0 [14/31]

　　　　　　　　　　　　　　 ＿＿＿＿＿
　　　　　　　　　 ／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:――
　　　　　　 __,.∠:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.⌒＼:.:.:.:＼
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　　　　 /:.:.:.:.:.:.:/:.:.:.:.:. | :.:{:.:.:.:.:.:.:.:. |:.:.:.:.:.＼:.:.Λ:.:.:.:.:.:..
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　　　/:.:.:.: |:.:.:.:.:.:.:. |:|　　｜:.:.:.:.:.:.:. |:.:.:.:.:.:.:.:.:.|/ /|:〉 〈: |
.　　/ :.:.:.:. |:.:.:.:.:.:.:.:Ν.　　| :.:. |:.:.:.:.:|:.:.:.:.:.:.:.:.:.| /: |._Λ〉|
　　 : |:.:.:|:.:|:|:.:.:|:.:.:┼―‐ -:.:.:.|:.:.:. ィ:.:￣:.:.:.:.:|:.:.:.:|:.:.:.:.: |
　　|:.:|:.:.:|:.:|:|:.:.:|:.:.:.:|斗ぅ＝ミ :|:.:.:.:.:|ｧう＝ミ: |:.:.:.:|:.:.:.:.: |　　　　　　さよか。でも、覚えとき。今は分からんなりに。
　　|:.:|:.:.:|:.:|:|:.:.:|:.:.:.:{　)いﾊ　从:.:.:.:.|　)いﾊ Y:.:.: ﾉ:.:.:.:.: |
　　|:.:|:.:.:|:.:|ﾍ:.人:.:.:　乂;;ツ　　 ＼:.| 乂;;ツ 从:.Λ:.:. /:.|　　　　　　いつか、君も考える時が来るで。
　　|八:.:.|:人:|:.＼＼ト''　　　　　　　　'''　　/:.:.:/　}:.:.:.:.:.|
　　 　 ＼ 　 |:.:.:.:.:.八　　　　 '　 　 _,　　 /彡/_,ノ:.:.:.:.:.:|　　　　　　……こんくらいにしとこか。ご飯冷めてまうし。
　　　　　　　八:.:.:.:.:.个　　　｀　　　　　　 イ:.:.:.:| :.:.:.:. |:.|
　　　　　　 /:/:.＼／￣　　　　 　 　 ＜ |＼__:.:|:. /:.:八|
　　　　　／:/⌒∨ :. :. :. {＼＞r≦.　　ノ| : :. :. :. :.＼:.:.:|
　　　 ／:.:./ :.:.:.: ∨:. :. Λニ=‐‐=ﾆﾆﾆﾆ|:. :. :. :. :. :./:.八
　　　⌒ｱ/:.:.:.:.:.:.:.:∨ /　 ∨二二二.／｜:. :. :. :. :/:.:.:∨＼
　/￣￣/::::::::::::::::::::∨　　　Ｖニ＞''´　　|:: :: :: :: /::::::::::∨__
:: :: :: :: 厂￣￣＼:: /{＿_／{⌒｀}＼　　Λ::: :: ::/::::::::::::::::⌒＼
:: :: :: :/:: :: :: :: :: ::.:}::::{／　　{:::: /　　＼j:::::＼::/:::::::::::::::::::::::::::::

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はやての表情は終始穏やかではあったが、どこか陰を感じるものがあった。

彼女は自分に、ネクストから降りてほしいとでも言いたげだった。
何が彼女をそうさせるのかは分からないが、自分はネクストを降りないだろう。

多分、死ぬまでこのままだ。
といっても、それは明日の任務かもしれないが。
それはそれで仕方ない。明日も生きていられれば上等だろう。
自分にとって、生きるというのはそういうことだった。これまでも、これからも。

社会という大きな傘の下に入れなかった者である自分にとって、
明日を保障するというものほど馬鹿げた話はなかった。

今はネクストがある。企業に重用され、誰にも蹂躙できない力がある。
今は、それでいい。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

2547 名前： ◆x0SRSoJXe.[] 投稿日：2020/06/01(月) 21:20:55 ID:gXJ6xvfY0 [15/31]

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2548 名前： ◆x0SRSoJXe.[] 投稿日：2020/06/01(月) 21:30:32 ID:gXJ6xvfY0 [16/31]

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　　　　　　　　　　　　　,. :´: : : : : : : : : : : : : ｀: : . _
　　　　　　　 -─‐ ､,ｨi{: : : : : : : : : : : : : : : _: : : : : 丶､
　　　　､丶` ,. :´￣￣ヾ : :_: : : : : : : : : : : : : ＼: : : ヽ: :.､
　　　 ´　 ／: : : : : : : : : :/ : : : : : ＼: : : : : : : : :ヽ: : : ', : :.
　　/　　 ' : : : : : : : : : : /: : : : : : : : :丶 : : : : : : : : :, : : ',_: :.
　 ,' 　 / : : / : : : : : : ﾊ: ハ : ',: : : : : : :ヽ : : : : : : : :',､: / } :.
　,′ /:/: :,' : : : / : :ｉ:|ノ'^＾}: : l: : : : : : : :} : : : : ',: : :人＼ﾉ: :.
　　 /:/: : l: : : : : : : :|:|´ 　 |: : }l: : ｌ: : : : :}l : : : : }／／}　 ヽ: |
　　 {/ : : |l: : : :i: : : :|:|_, -‐ﾄ:､ハ: : : : : :'7T: 寸:ﾊィ:／}/＼}: |
　　　 |:l{: |ｌ : : : : : : :|'|´ 　 |:./　 l: : : : : '　| : : / r'__／}: : }: :.
　　　 {八:|乂: : :.r､: {ヾ _　ﾉ'__　 }: : /: /　从l/　 }: : : ;': : } : {
　　　　　ヾ }: ＼:| |:_‘，,ｨ=≠ミ 从/7ﾚ　ｨ=≠ミノ: : :/: : :}: : {　　　　　　　　　お酒がうまーい！
　　　　　　ﾉ: : : ﾉ ﾘ .}: ﾐ､､､､､､ 　{/　　 ､､､､､､/:_／}: }l:.}: : :{
　　　　　, : : : : :{ノ 丿ﾄ-ゝ　　　　 ′　　　　 ⌒/／: :八|: : : :.
　　　 ／7: :/: /　 〈:乂__,ィ　 　 ｧ 　 ￢　　　　/´: :／: : : : : :＼
　　／　 {: :ﾊ: 'ｰ ､　｀ー-ミｰ ､ 乂＿ 丿　 　ィ: /:´ : : : : : : : ‘，＼
　　　　　{:｛ ‘，: : :lヽ 　 　 }: }:} _　　　　 ＜-ﾐ:.∥:l: : : : : | : : : ‘，
　　 ／⌒丶¨¨¨ ヽ｀ｰ. ､　 }从＾ヽ＞＜　{｀ヽ　liヽ从}: : l:.|: : l|: : :}
　　' 　 ､ 　 ＼　 　V: }　＼ 　 　 }　　 　 ゝ　Ｖ{　 ∨: : }:.|: :/|: :从
　〈　　　＼　　＼　 }.:.|_l /＾ヽ 　,ﾉ　　　　　　　}　　}:_／り⌒ lＶ
　　} 　 　 　 　 ',　　l从./　　　 / 　 　 　 　 　 }　 ¨',　　　 　 }‘，
　 (ヽ　　　　　　}　 -rｧ′　　 〈_　　　　　　 _ノ　 　 }　 　 　 ﾉ 　‘，
　ﾉ　　　　　　　{／　 ＼　　 /　',｀ヽ　　　 '´ ﾉ　　　|　 ＼ l,/　/　‘，
〈- ､ 　　　　　r(　　　　 ＼_〈　 ＼＿　　 _／　　　 .'　 　 ∨／　　 ‘，
　　　 丶　___ 八､　　　　　 こ) 　 　 ,.-Y⌒ヽ　　　 {　｀丶､‘，　＼　‘，＿＿＿＿
　ﾉ-‐　　7 ﾌ´ 　 ＼　　　/ ﾊ　　 ,ｨi{ﾄ､ _,ｨiiiiiiｉ}i:､　 |　　　 丶}　　 　r<＿＿＿＿＿>
　　　　 /　　　　l　　＼／ノ 八／　｀`YiiiiiY￣　 ＼|　 　 　 ‘， 　 _,|　 　 　 ...............|
　 ‘， /　 { l　　　 　 　 /^ｰ′--　　　{iiiiii}_,,..　-‐　⌒　　　　', 　 | |.......::::::::::::::::::::::::|
　　 }　　　{　　　　 　 _/´　　 　 ｀`ヽ　 }iiii{　　　　　　　　　　　} 　.| |｀ー～～～'´; ;|
　　 {　{　　 　 ＼__rｱ 　 　 　 　 　 　 ,ｨiiiiii}i:､　　　　　　　　　 }/　| | ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; |
　　 丶ゝ　　　　／ {　　 　 　 　 　 ,ｨi{iiiiiiiiiiiiii}　　　　　　　　 ノ l'　| | ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; |

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はやてに肩を抱かれて左右に振り子の如く揺られる。
酒気を帯びた彼女の身体は温かく、微かにじっとりと汗ばんでいるようでもあった。
緩められたブラウスの胸元は、あまりにも無防備で目に毒だ。

どうしてこうなったのだろうか。
酩酊状態のはやてに揺さぶられながら、ぼんやりと思い出す。

そうだ、ぽつぽつと他愛もない話をしていて、異性の話になった途端、
はやてが食いついたのだ。それからは火が点いたと言わんばかりに
ビール瓶を頼み始めた。

最初は普段以上の陽気さを発揮する程度だったが、今ではこれだ。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

2549 名前： ◆x0SRSoJXe.[] 投稿日：2020/06/01(月) 21:49:13 ID:gXJ6xvfY0 [17/31]

　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ､. : …―- . .､、
　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ／: : : : : : : : : : : : :＞‐:､__
　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ／: :/ : : : /∨: : : : : : : : : :.＼`、
　　　　　　　　　　　　 　 , : : : /: : : :./ / : : : : : : : : : : : : : :`、
　　　　　　　 　 　 　 　 /: : : :斗- ､　/: : : : :./ |:..:. :.|: : |: : :.`、
　　 　 　 　 　 　 　 　 /: : : : |: |/|/丶 : : : :./ : |: :| :.|／｝^∨ 〉
　　　　　　　　　　　　/ : |: : :.|: ｧ=ﾐ､ |: : : |/ ⌒ﾄ: | :.{／| 〉　〈ﾊ
　　　　　　　　 　 　 /／八: 人 .... ｀`|Λ: | ｧ≠ﾐ､＼|／｝ Λ 〉:|
　　　　　　　　　　　　 　 /:＼{ :::::::　　　　　 ん心刈{／Ⅳ : : : |　　　　　　　　　　「はやてさん、飲みすぎじゃ」
　　　　 　 　 　 　 　 　 //.:.Λ　　 _｀　　 ::::ヾrシ' /:j : /: : :. :./|
　　　　　　　　　　　　 /ｲ:.:/ : : ､　ヽ~^ ｖ,　　::: 　/ィ:../ : /: :/ :|　　　　　　　　　　　私のことはええんよぉ。ほれ、聞かせてみ？
　　　　　　　　　　　　　 |:/ : j: : |丶　　　　　 -=⌒ﾉ:/ : /: : ｡　ﾟ゜￣"'ｖ―‐､
.　　　　　　　 　 　 ､… 从_:/: :八　 ￣＿､ｨ　 ):.:/／ : /:.｡'゜　　　　　 ∨＾ヽ＼　　　ふふ、後悔しても遅いでぇ。女に色恋の話するとなぁ、
.　　　　　　　　 ／　　 ／ / : /二う＝ｾ二ﾉ／ : : : : : :／∨　｡,　　　　 ∨￣　`、
　　　　　　 　 / 　 ヽ/、 /イ/ﾆﾆﾆﾆﾆﾆ／/: :／イ/／: : : :∨r ﾟ:ﾟ:｡:｡｡_,_､∨￣　」　　 大半は食いつくもんなんよぉ。
.　　　 　 　 ／　 ∨/　 ｝ノﾆﾆﾆﾆﾆﾆ／　｛／/　,／): : ／: :.∨: : : : : : : : :∨￣ ﾉ
　　　 　 　〈　 ／　 　 j｢ﾆﾆﾆﾆﾆﾆ く⌒ヽ▽/　　　/／^ヽ : :|∨::::::::ﾟ｡::::::::::::'⌒7　　　　ほれほれ、どないな女の子が好みなん？
.　　 　 　 /У　　　　/ﾆﾆﾆﾆ -ﾆﾆニi〈 　∨　　　　　　⌒∨　∨::::::::::::::::::::::::,/
　　　 　 /　′　　　/ ﾆﾆﾆ -=ﾆﾆﾆﾆ|　 　　 　 ,/　　 　 　 |　　∨:::::::ﾟ:::::::;;;:::::,
.　　 　 /　 '///, 　 |ﾆﾆﾆﾆ-=ﾆﾆﾆニ|　 〉　 　 ｢　　　　　　|､　　∨:::::::::::::::::::ノ
　　　 /　　 V///,　|ﾆﾆニ -=ﾆﾆﾆニ｢ /　　　　 　 　 　 　 | 〉　　∨ﾆ=- '''/

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酔っても大して変わらないと言えばそれまでなのだが、
素面の時よりも幾分か、いや、だいぶ激しい。主にスキンシップが。
異性に、ではなく、自分を異性として見ていないからこその警戒心の欠如か。

ジョッキ片手にはしゃぐはやての視線は揺らぎ、判然としない。
若干、呂律が回っていないようにも見える。

人が酔っぱらうとこうなるのか。
その様子はおよそ理性的とは言えないが、楽しそうなので、まあいいのだろうか。
スラム暮らしになる前も、配給でアルコール飲料が入っていた時の大人たちの
喜び様を思い出す。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

2550 名前： ◆x0SRSoJXe.[] 投稿日：2020/06/01(月) 22:00:57 ID:gXJ6xvfY0 [18/31]

　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ,;;;;＞'ﾆ!　　　　　　　　　 　 　 ヽ
　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ,;;;;;;;;;;/'ﾆl　　　　　　　　　　　　＼.'
　　　　　　　　　 　 　 　 　 ／;;;;;/ /ﾆﾆ! ､　　＼　　　　　　　　　丶
　　　　　 　 　 　 　 　 　 ,　,;;;;;;/.,.仁ﾆﾆ',. ＼　　 　 　 　 　 　 　 　 ヽ
　　　　　　　　　　 　 　 ,. ,;;;;;;;/,ｲ二二ﾆﾆ,.　 丶　　　　　￣　　 ‐-　 {
　　 　 　 　 　 　 　 　 /.,;;;;;;;／二二ニニﾆ,　 　 ヽ　　　、　　　　　 　 ヽ　　　　　　　止めるべきだったかなぁ、大分楽しくなっちゃってるね。
　　 　 　 　 　 　 　 　 ｌ ;;;;;/ニニニニニニﾆ,.　　__-＼　 ＼　 　 　 　 　 、
　　　　　　　　 　 　 　 ﾄ:;/二二二二ニニニ/ニニニﾆヽ　　　　　　　　　　　　　　　　「て、店主さん」
　　　　　　　　　　　 　 l二二二二ニニニﾆ/二二二ﾆ/　 ､　 　 　 　 　 　 ヽ
　　　　　　　　 　 　 　 j0二二二二ニニﾆ,二二ニニ/　　　 ,　　　　　　　　　　　　　　どうせ、君も色々世話になってるんだろ？
　　　　　　　　 　 　 　 l二二二二二ニニニニニニ/　　　　ﾉ　ｰ-　 - 　 　 　 ',
　　　　　 　 　 　 　 　 l二二二二ニニﾆ'ニニニﾆ/ ﾞ､　　　 >'"　　　　　　　　　}　　　　相手してやりな。それくらいの義理はあるだろう。
　　　 　 　 　 　 　 　 /二二二ニニニ/ニニﾆﾆ,.'　　 　 　 / ／　　　　　　　　 '
.　　　　　 　 　 　 　 /0ニニニニニニ;二ニニ,.'　　 　 ', イ　　　　　　　 　 　 /　　　　 　
.　　　　　　 　 　 　 ,ニニニニニニﾆ,ニニﾆﾆi　　　　 /
.　　　　　　　 　 　 ,ニニニニニニニ!二ニﾆヾ　 　 ／　　　　　　-‐ 　 　 ／　　　　　　 　
　　　　　　　　　　,二ニニニニニﾆﾆｌニニニﾆ', ／　　 ―--‐　　　 　 ／
　　　 　 　 　 　 /0ニニニニニニ／｀"'‐=ﾆ＞"　　　　　　　　　 　 ,　　　　　　　　　　　　
.　　 　 　 　 　 /二二二ニニﾆ／　　　 ／丶
　　　　　　 　 /ハ二ニニニ／ 　 　 ／ 　 　　､　　　　　　　　／
　 　 　 　 　 //　',二ニﾆ／　　　　<　　　 　 　 ＼　 -‐ 　 ,. '

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
店主が口の端を歪めながらこちらを見ていた。
試しに助けを求めてみるが、どうやら助けてくれそうにはない。

はやてが喉を鳴らしているのが聞こえ、振り返るとジョッキを飲み干していた。
さすがに勘弁してほしい。付き合うのは構わないが、そろそろ理性が持ちそうにない。
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2551 名前： ◆x0SRSoJXe.[] 投稿日：2020/06/01(月) 22:06:50 ID:gXJ6xvfY0 [19/31]

　 　　　＿＿＿_
　　　／　　 　 　＼
　 ／　　　　 　 　　＼
／ 　　　　　　　　　　＼　　　　　　お、終わったかお……
|　 　　　＼　　 ,＿　　 |
/　　ｕ　 ∩ノ ⊃―）／　　　　　　我ながらよく持ちこたえたもんだお。
(　 ＼　／ ＿ノ　|　 |　
.＼　“　　／＿＿|　 |
　　＼ ／＿＿＿ ／

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しばらく続くかと思われたはやての独壇場だったが、それは突如として終わった。
糸が切れたかのようにはやてはカウンターに突っ伏すと、瞼を閉じ、寝息を立て始めた。
ゆっくりと上下する肩からして、本当に寝入ったらしい。

はやても色々とストレスをため込んでいるのかもしれない。
もしくは相当気が緩んでいたのか、そのどちらかだ。

PDAを取り出してみると、日付が変わったことを画面が教えてくれた。
酒の席というのは恐ろしい。何時間経っても一瞬のようだ。
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2552 名前： ◆x0SRSoJXe.[] 投稿日：2020/06/01(月) 22:12:31 ID:gXJ6xvfY0 [20/31]

　　　　　　＿＿＿_
..　　　　／　　　u　＼
　　　／　　／　 　 ＼＼
..　／ 　し （○） 　（○） ＼　　　　　……ん？　この後どうすればいいんだお？
　 |　∪　 　 （__人__）　 J |
..　＼　　u　　 ｀⌒´　 　／





　　　　　　　}　　 ／;:;:;/l　／⌒, ー　"　　　　　　,l‐ 、
　　 　 　 　 ,　／;:;:;／　ィ　　 /　　　　 　 　 ／　/　　＼、
.　　　　　　 ,.';:;:;:／ 　 /　 .／!　　　　_,.　'" 　 ／;:;:;:;:;:＞'"｀ 　 、
　 　 　 　 /;:;:;:/　　／　 ./　 ｌ　 , 　"　　　 ／;:;:;:;:;／　　　　　　 ヽ　　　　　　置いてくってのはナシだろ。
　　　　　/;:;:;:/　 ／　　,.'　　 l／　　　　／;:;:;:;:;:;::/　　　　　　　＿　'
.　　　　/;:;:;:;l　／　　 /　　　　　　 ,. '";:;:;:;:;:;:;:;:;:/　　　_　　　 　 　 ヽ!　　　　　とりあえず連れ帰りなさい。ああ、お代も払いなよ。
　　 　 ;:;:;:;:;:l／　 　 /　　＿　　'";:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;/　,.　 　 　 　 　 　 　 }
　　 　 l;:;:;:;:;{　　　 /‐''";:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:/／　　　　　　　　　　　,
　　 　 |;:;:;:;:;ｌ　　　,';:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:{　　　　　　　　　　　　　 i
　　 　 ｌ;:;:;:;:;l　 　 l:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:l　 ＼　￣　ー--　　　 /
　　　　ｌ;:;:;:;:;ｌ　 　.!;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:!、　　　　　　　　　　 / 〉

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
店主が無慈悲に言い放ち、眠り続けるはやてを顎で指す。
その様子は楽しげでもあり、口の端がニヤついていた。

試しに揺さぶってみるが、起きる気配がまるでない。
組んだ腕を枕にし、さぞ気持ちよさそうに寝ているばかりだ。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

2553 名前： ◆x0SRSoJXe.[] 投稿日：2020/06/01(月) 22:15:19 ID:gXJ6xvfY0 [21/31]

　　　　　　　　　 　 ＿＿＿_
　　　　　　　　　 ／　　 　 　＼
　　　　　　　　／_ノ　　　ヽ､_　＼
　　　　　　 ／　（●） 　（●）　　 ＼
　　　　　　 | 　 　 （__人__）　　 u 　 |　　　　……やる夫の部屋で寝かせて、やる夫は外の床で寝ればいいかお。
r､　　　 　r､＼　 　 ｀ ⌒´　　 　 ,／
ヽヾ　三　|:l1　>　　 ー‐　　 　 ヘ
　＼>ヽ/ |｀ ｝　　　　　　　　 　 　 ヽ
　 　ﾍ　lノ `'ｿ　ｲ　 　 　 　 　 　 | 　|
　　　 /´　 / ./ |　　　　　　　　　| 　|
　　　 ＼. ｨ_ノ　.|　　　　　　　　　|　 |
　　　　　　　　　|　　　　　　　　　| 　|
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
連れ帰れと言われたところで、彼女がどこで寝泊まりしているのかも知らない。
なのはの部屋に連れていこうにも、流石にトウキョウに着く頃には深夜だ。
いくら何でも迷惑というものだろう。

となると、残る選択肢は一つだった。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

. ＿＿
_|。。::::|__
ｉ::ﾞ==-/::ｉ　＜残念！　世間知らずのやる夫君にはその辺のホテルにはやてをぶち込んで帰るという選択肢が思いつかなかった！
｀|:::::::::|´
　{」{_」

2554 名前： ◆x0SRSoJXe.[] 投稿日：2020/06/01(月) 22:15:33 ID:gXJ6xvfY0 [22/31]
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　┌──────┐
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　│::::::::::::::::::::::::::::::::│
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　│::::::::::::::::::::::::::::::::│
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　│::::::::::::::::::::::::::::::::│
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　│::::::::::::::::::::::::::::::::│
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　└──────┘


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　┌───┐
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　│::::::::::::::::│
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　│::::::::::::::::│
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　└───┘


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　┌─┐
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　│ :: │
　 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　└─┘


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 ┌┐
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 └┘


　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 □

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ・

2555 名前： ◆x0SRSoJXe.[] 投稿日：2020/06/01(月) 22:22:09 ID:gXJ6xvfY0 [23/31]

　　　　　　　　＿
　　　　　　 _´＿　_` ､
　 　 　 ／‘=’ﾆ ‘=’u‘.　　　　　やっと着いたお。
　　 　 i　　└‐' ｰ'　　ｕ‘.
　　　　ヽ　　　　　　　　　!

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
深夜なだけあって、ドックにも大して人がいなかったのは幸いだった。
あたかもやましいことの帰り道のように、人の目を避けながら居住区画へ入り、
自分の部屋を目指す。

背中で眠り続けるはやては暢気なもので、依然として起きそうにもない。
服越しでも確かに伝わる体温と感触は、やはり、耐え難いものがあった。

難しいことはない。
さっさと彼女を自分のベッドに転がして、自分はその辺の床で寝ればいい。

なのはにも、こういったことには口を酸っぱくして言われていた。
せっかくリンクスになったのに、性犯罪者扱いはごめんだ。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

2556 名前： ◆x0SRSoJXe.[] 投稿日：2020/06/01(月) 22:31:03 ID:gXJ6xvfY0 [24/31]

　　　　 ＿＿＿_
　　　／　　 　 　 ＼
　 ／　　　　　　 ― ヽ　　　　　……軽いな。
／ 　 　　　　 　（ ●） '､
|　 　 　 　　　　　　 （__ﾉ_）
＼　 　　 　　　　 　 ｀_⌒
／　　　　　　　　　　　＼

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
人を抱えて歩くというのは大変なものだった。
はやて自体も大して重くはなかったが、力なく背中でぐったりとされていると、
どうにも足腰や腕への負担が大きい。

ふと動揺と興奮の下に、感傷が湧いてきた。
特別華奢というわけではなかったが、普通の女性の身体としか思えない。
それでも、リンクスなのだ。ネクストに乗って戦場に立つ兵士に変わりはない。

心のどこかで、はやてやなのはを特別視している自分がいた。

リンクスとして、というよりも、戦場に立つような人間は、普通とは違うと。
けれど、そんなことはないのだと、背中の上の平凡な重みが伝えてくるようでもあった。

兵士たる人間が普通ではない、というわけではない。
普通の人間が兵士をやっているだけなのだ。

それはきっと、他の事柄にも言えるだろう。
軍人だろうが政治家だろうが、医者だろうがなんだろうが。
普通の人間が、それをやっているだけなのだ、
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

2557 名前： ◆x0SRSoJXe.[] 投稿日：2020/06/01(月) 22:54:22 ID:gXJ6xvfY0 [25/31]

　　　　　　　.:::::::::::::::::::::::::::::::::::::／::::::::::＼::::ﾊ:::::Ⅵ　　 八　　　　　　　 '，　　　　　,,ノ＞----- ＼＿＿/|::〉―┴┐
　　　　　 /::{::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|＼::::::::::::＼:}::::::}〔　＼. 个　　　 　 　 .∧　 　 　 ／ /　　 　 　 　 |　Y '"　 彡'7"
　　　　／:/:{::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::| 　 ￣￣＼〉 :: }　 ＼ ＼　 ＞---=彡 '/＼　　　　/　 　 　 　 　　＼］＿__彡'´
　　　 .:::::::::::{::::::|::::::::::::::::::::::／￣　　　　　　 `､::::}　 　 　　／　＼　　　　 '//＞-------＜＿＿＿_／
.　　/::::::::::::八:: | :::/::::::::::::/　　　　　　　　　　 `､}　＿__／＿＿__ ＞--‐彡)///厂＼/////＼
　　;::::::::::::::::::::＼::/::::::::::::/　　　 　 　 　 　 　 　 '，＿___／　　　　　　　⌒冖彡'　　　 ￣￣￣
　　{:::::::::::::::::::::::::}:::::::::::::/　　　　　　　　　　　　　 '，
　 八:::::::::::::::::::: ﾉ::/:::／､　　　　　 　 　　 　 　 　　'，
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　　　　　　　　　　　　　　　 　 　　　 　 　　 ＿_,_,.､丶´
　　　　　　　　　　_　　　-‐=　 ''　""~~￣　　　　　}
　　　_　　-‐　 ~　　　　　　　　　　　　 　　　 　　ノ

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
自室のベッドに辿り着き、どこかにぶつけないよう気を遣いながら
マットレスの上へと降ろした。

真っ先にベッドへと向かった。ドアなど開けっぱなしだ。
一秒でも早く彼女から離れたかった。
嫌だとか、そういう気持ちがあったわけではない。

たとえようのないもどかしさのようなものに胸の内が支配されていた。
自分のことだが、自分でもどうしようのないものに思える。
混乱している、という表現が一番近いかもしれない。

なんだか、人と接する度、何かに直面する度、自分は混乱しているように感じる。

とにかく、後は布団をかけてやって外に出れば終わりだ。
そのはずだったのだが、横たえられたはやての肢体から、
どうにも目を背けられなかった。

くしゃくしゃになったブラウスが張り付いた身体からは不思議な匂いがする。
香水か石鹸か衣料用洗剤か、もしくはそれらに汗の匂いが混ざっているのか。
スカートの丈も長めとは言えず、しなやかな太ももが覗いていた。

眠り続けるはやての表情は穏やかなもので、瞼は閉じたままだ。
長い睫毛と薄く紅が引かれた唇は、あどけなさが残る顔つきとは不釣り合いな
ものがあった。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

2558 名前： ◆x0SRSoJXe.[] 投稿日：2020/06/01(月) 22:54:52 ID:gXJ6xvfY0 [26/31]

　　　　　　 　 　 ＿＿＿_
　　　　　　 　 ／:: :: :: ::: ::＼
　　　　　　 ／: :: :: :::: :: :: :: ::＼
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　 　 　 .|::　:　:　:　（___人__）　:　::|
　　　 　 ＼::　:　:　　｀⌒´　:　:／
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　　　　{ : : }　　/￣/:::::/￣＼　　￣
　　　 〈＿ノ 　＿／:::::/＼― 　　＼　　ﾀﾁｱｶﾞｰﾚｰｹﾀﾞｰｶｸﾏｴｰｻﾀﾞﾒｦｳｹﾀｾﾝｼﾖｰ
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　　　　　　}　　／￣｢￣＼}￣＼＼　
　　　　　　} ／　　 } }　 　 }　
　　　　　　}　 　 　 } }　　　}　＼

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
血流が加速し、鼓動の音がうるさく感じる。
呼吸が若干荒くなっているのが自分でもわかった。

喉が渇いているわけでもない。さっきまで散々飲み物を呷っていた。
なのに唾液が湧いてきて止まらず、生唾を呑み込む。

言うまでもなく、色気に当てられていた。

下↓3
1．ヒャア　がまんできねえ！　ダイブだ！
2．そんなことをしたら前科が付くぞ！　撤退だ！
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

2559 名前：安価のやる夫だお[sage] 投稿日：2020/06/01(月) 22:56:40 ID:r18eyxMs0 [1/2]
この周回はほんと…ヒロインが親密で選べない…

そういうのは酔ってないときに
2

2560 名前：安価のやる夫だお[sage] 投稿日：2020/06/01(月) 23:03:43 ID:1ew65xxE0 [1/4]
やっぱり正面から行ってこそ
２

2561 名前：安価のやる夫だお[sage] 投稿日：2020/06/01(月) 23:20:03 ID:1ew65xxE0 [2/4]
我慢できねえ　連投okかわかんないけど２
だめだったらすいません

2562 名前： ◆x0SRSoJXe.[] 投稿日：2020/06/01(月) 23:23:50 ID:gXJ6xvfY0 [27/31]
うむ、ここでは基本的に連投OK……というか、厳密なルールはないよ。

常識の範疇で、他のスレ住民に不快な思いをさせなければOKだ。

連投も、ある程度間をおいて、他に書く人がいなさそうだったら構わない。

個人の良識に委ねる形にはなるが、ここのスレ住民たちなら大丈夫だろう。

2563 名前：安価のやる夫だお[sage] 投稿日：2020/06/01(月) 23:26:08 ID:1ew65xxE0 [3/4]
はーい

2564 名前： ◆x0SRSoJXe.[] 投稿日：2020/06/01(月) 23:34:12 ID:gXJ6xvfY0 [28/31]

　　　　　　　　　　　　　　　　　　⊂ニニ⊃
　　　　　　　　　　 ＿＿__　撤退　＿＿＿_
　　　　　　　　　／　　　　＼　　／　　　 　 ＼
　　　　　 |＼／ノ'　　ヾ　 　 `／─　 　 ─ 　 ＼
　　　　　 |／<①>　 <①. ／　 （○） 　（○ ） 　 ＼
　　　　　 |　　（__人__） 　 | 　 　　（__人__）　　 　　 |
　　,-､　　＼、` ＾＾＾＾ ´　 ＼ 　　 ｀ ⌒´ 　　 　 ,／＿
　/ ノ／￣／ ` ー ─ '/＞＜　　` ー─ ' ┌､ ヽ　　ヽ,⌒⌒ヽ
/　 L_　 　 　 　 ￣　　／　　　 　　　 　　　_l__(　{　r-､ .ﾄしし_）
　　　_,,二)　　　　　／　　　　　　　　　　 　〔― ‐} Lｌ　 | l) ）
　　　>_,ﾌ　　　 　 /　　　　　　　　　 　　 　 }二 ｺ＼ 　 Li‐'
＿_,,,i‐ノ　　　　　l　　　　　　　　　　　　　 └―ｲ 　 ヽ　|
　　　　　 　 　 　 l　　　　　　　　　　　　 　 　 　 i　　　ヽl
:::: :::::::::: :::::::　::::: ::::::::::::;; :: :::::;;;;;::::: :::::; :::::;;;;;:::::::::;;;;;::::
　　　:::::;;;;;:::　;;::;;::　　　　　　:::::::　::::: ::::::::::::;;;;;;::::: :::
　　　　　:::::::::　　 ＿＿＿　　　:::::;;; ::::::: :::;
　　　　　 　::;;::.／⌒　　⌒＼:::;;;;''
　　　　　　　／<○> 　 <○>＼　　　　　　　　……ハッ。なんか、何も考えられなくなってたお。
　　　　　 ／　　　（__人__）　　　＼
　　　　　 |　　　　　|r┬-|　　　　　|　　　　　　 飢えてるときに、目の前にステーキを出された時みたいな……
　　　　　 ＼　　　　`ー'J　　　 ／
　　　　　 ／ 　 　 　　　　 　 　 ＼

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
はっとして、何があるはずもないのに周囲を見渡した。
かなり危険な状態だった。
もう少し遅ければ、法的にも倫理的にもまずい展開になっていたかもしれない。

とにかく、今は撤退の一手だ。
はやてに布団をかける。風邪を引かないように、というのもあるが、
隠す意味合いもあった。これ以上視界に入れていると、再び理性が蒸発しそうだ。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

2565 名前： ◆x0SRSoJXe.[] 投稿日：2020/06/01(月) 23:46:05 ID:gXJ6xvfY0 [29/31]

　　　　　　　　　 　 　 ＿　　 　 ﾄ
　　　　　 　 　 　 　 ⌒＼:.:.＼　|:.l
　　　　　　　　　　＿＿＿＼:.:.V:.:L　-――-
　　 　 　 　 　 ／:.:.:.:.:.:.-‐:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:＞､　　＿＿
　　　　　　　 ⌒￣／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.＼:.:.:〉⌒:.:.:.:.:.:.:＼
　 　 　 　 　 　 ／:／:.:.:.:./:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.⌒:.:.:.:.:.:.-=ｲ:.:.:.:.:.:.:.ヽ:.:.:.:ﾊ
　　　　　　　 ./:／′:./:./:.l:.:.|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|:.:.-―｢|ト:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.
　　　　　　　// /:.:.:./:.:.:|:.:ﾊ:.Ｎ:.:.:.:.:.:. |:.:.:.:.:. |:.:.:.:.八|//.＼:.:.:.:.:|:.:.:.:.:i
　　　　　 　 |′|:.:.:/ |:.:.:|:.| ト| |:.:.|:.:.:.:.|:.:.:.:.:.:.|:.:.:.:.:.:∧//.:.:.:.:.:.:.:|:.:.:.:.:|
　 　 　 　 　 　 |:./　l|:.:.:|:.| |/ 〕ト|:.:.:.:.|:.:.:.:|:.:.|:.:.:.:./:.:.|//.:.:.:|:.:.:.:|:.:.:.:.:|
　 　 　 　 　 　 |′ 八:.:.Ｎ　=ミx　ヽ: |:.:.:ハ:.|Ｙ:.:.:.:.:∧//.:. |:.:.:.:|:.:.:.:.′
　　　　 　 　 　 　 　 　 ﾉ　　　 `′　)|:./:.:||ハ:.:.:.:./:.:|//.:.: |:.:.:.:|:.:.:.:|　　　　　　　あ、やる夫君。おかえりなさい。
　　　　　　　 　 　 　 　 ヽ_ ＿　　　/ﾉｲ:.:厶イ:.:.:.:.:.:.∧//.:.:|:.:.:.:|:.:.:.:|
　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ｰ'　　　　/:./　　ﾞζ:.／　 V//:|:.:.:.:|:.:.:.:|　　　　　　　帰ってくるの遅かったから、
　　　　　　　　　 　 　 　 　八 ＿＿ /:./　　　　＞┐　 ∨//:.:.:.|:.:.:.:|
　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 /′/へ　　 x彡"／二〕　V//:.:.|:.:.:.:.|　　　　　　　もしかしてって思って見に来たんだけど……
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 Χ"　／／ｌ|ﾆ＼　V//:|:.:.:.八
　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 〈　У'／ 　 l|ニﾆ＼ '//:.:.:.:.:.:.ﾊ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｘ〈／　/ |-―‐|ニニﾆ＼/,:.:.:.:.:.:.:.|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　／／′／|ﾆ|――「 ＼ニニﾍ/:.:.:.:.:.:.|
　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 〈/ ／ﾆ〃ニニニニニヽﾆニﾍ/:.:.:.: |





　　　　 　 ／ ￣￣ ＼
　 　 　 ／ノ　　ヽ__ 　 ＼
　 　 ／（―） 　（― ） 　 ＼　　　　　　　なのはさん、起きてたんですかお？
　 　 |.　　（_人＿）　　　u　|
　　　＼ 　 ｀⌒ ´　　 　 ,／　　　　　　　「まあね」
　　 　 / 　　　　　　　　ヽ
.　 　 /　l　　　,/　 /　　 i

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
部屋から出ると、予想外の出迎えがあった。

ドックでの点検作業を終えた後、自分の帰りが遅いのを心配してくれていたらしい。
素朴なシャツとジーンズ姿というラフな装いからして、少し新鮮だった。
小さく欠伸を挟んでから、なのはは身体を傾け、部屋の奥を覗き込んだ。

「大方、はやてちゃんが気分良くなって飲み始めて潰れたってかんじ？」

「そんなとこですお」
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

2566 名前：安価のやる夫だお[sage] 投稿日：2020/06/01(月) 23:46:47 ID:r18eyxMs0 [2/2]
次はなのはも見てみたい

2567 名前：安価のやる夫だお[sage] 投稿日：2020/06/01(月) 23:49:41 ID:1ew65xxE0 [4/4]
優しさ感じちゃう

2568 名前： ◆x0SRSoJXe.[] 投稿日：2020/06/01(月) 23:54:23 ID:gXJ6xvfY0 [30/31]

　　　　　　　　　 ／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:-――- -　、:＼
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　　　　 　 　 /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:l:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ:.:.:.:.:＼:.:.:＼　 ヽ
　　　　　 　 |:|:.＼:./:.:.:.:.:.:.:.:.:.ｌ:.:.:.:.|:.:.:.:ｌ:.:ﾊ:.:ヽ:.ヽ:.:.:.ヽ:.:.:.:.:.:＼:.:丶
　　　　　　 .ｉ:|:.ヽ:.:i:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|:.:.:.:.|:.:.:.:.|:.:| ヽ:.:ｉ:.:.ｉ:.:.:|:＼:.:.:.:.:.:ﾍヽ:.ヽ
. 　 　 　 　 |:.:|:.:.ヽ|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:!:.:._7t:.-十:ｉ　 ｉ:.ｉ|´丁｀i:.:.|:.ヽ:.:.:.:ﾍ丶:.ｉ
　　 　 　 　 l:.ヽ:.:.:|:.:.:.:.:.:.|:.:.:匕:ﾁ |:.≠.ｌ/　　||,ｲう｡,/:.!:|:.:.:ヽ:.:.:.:ｉ　 ヽ　　　　　　君はどこで寝るつもり？
　　 　 　 　 ヽ:.ヽ:.|:.:.:.:.:.メ´:||:.yﾋて个/　 　/ .{::::j."ｉ/|:|:.:.:.|.ｉ:.:.:.:|
　　　　　　　 ヽ:./=ヽ:.|:.:.:i:.:ｉ,ｲ7::::::ﾟ::|　　 　 　 b:y /:.l/:|ｉ:.:.ｉ .|:.:.:|　　　　　　　　　その辺の床って言ったら怒るからね。
　　　　　　　　 ゝ　.个:.::.:ヽ|ヽ らﾂ少　　　　　￣　|:.:ｉ:.|||:.:|　|:.:|
　　　　　　　　　 ＼ .|:.:.:|＼＼. ゝ¨　 　 　 　 、　. |:.:.|:.| |:.|　 |:|　　　　　　　　　　「うっ……」
　　　　　　　　　　　 ヽ:.:.:|　　　　　 　 　 　 　 　 ｲ|:.:|:ﾍ/　 　|
　　　　　　　　　　　　 ヽ:.ヽ.　　　　　　　` ´　／:.:.|:/:.:.ﾍ　　　　　　　　　　　　　 スタッフ用仮眠室の使用申請、出しておくから。
　 　 　 　 　 　 　 　 　 丶:.丶＞　、　　　　イ、:.:.:/:.:ヽ:.ﾍ
　　　　　　　　　　　　　　 ＼ミ　　　 ` ≧´ 　 !＼:.:.:.:.丶:ﾍ　　　　　　　　　　　　　はやてちゃんには置手紙、私が書いとく。
　　　　　　　　　　　　　　　,>.|ヽ　　 ＞＜ 　 /　.ｉ:`＞x.ヽ:ﾍ
　　　　　　　　　　　　 ,､r´:/ | >‐、´　　 　 /　　|::::::::::::::::::::｀ヽ 、　　　　　　　　　　年下の男の子にここまで世話かけさせて、まったく。
.　　　　　　 　 　 ,､r´:::::::/　 |/>-<＼ . 　 /　 　 |::::::::::::::::::::::::::::::::｀ヽ 、
　　　　　　　,､r´::::::::::::/　　./└t┘　ヽ./　　 　 .ﾄ、::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::｀ヽ、
　　　　　／::::::::::::::::::/　　／|./ Ⅹ.ヽ　 ヽ　　 ＞┘　＼::::::::::::::::::::::::::::::::::／:::|

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
困ったような微笑みを浮かべるなのはは、言葉とは裏腹に優しい面持ちだ。
普段とは違う私服姿もあってか、いかにも日常の一幕といった光景で、
なぜか嬉しくなった。

彼女にも、こういった側面があるのだと思うと、不思議と暖かい気持ちになった。

はやての言葉が蘇る。

人間は弱い生き物だ。なのはも自分も弱いのだ。
そこに男も女も、生まれた場所も肌の色も、リンクスも一般人もないのだろう。
誰もが誰かの家族で、思っていることがあって、日常がある。

なのはも、例外ではない。
恐らくは、あのアルトリアでさえも。

そして、その日常の中に、自分がいると思うと、なんだかほっとするようだった。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

2569 名前： ◆x0SRSoJXe.[] 投稿日：2020/06/01(月) 23:54:40 ID:gXJ6xvfY0 [31/31]

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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ・

2570 名前： ◆x0SRSoJXe.[] 投稿日：2020/06/02(火) 00:02:37 ID:6efUNa8o0


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　-‐'.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 ､., _＿＿＿ _.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.　　　　　ヘイ、サマナー。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 !　｝　　_ _＿二ニ＝ｚ/::::::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｨﾘ;.;'^´;.;.;.;.;.∠::::::::::::::::::::::::::　　　　　　なんで酔い潰れた女の子と一夜を共にしちゃいけないんだい？
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／;.;.;.;.;.;.;.;.;.,;-ｲヽ:::::::::::::::::::::::::::　　　　　
　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ,'=====ｚ-,弍　　 　 !:::::::::,L 、:::::::　　　　　「どんな形であれ、合意の上でなければ、女性が被害届を出せば
　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 !　i_ｿ　　　 /:;／_　 ,'::::::::::::　　
　 __､---､　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ﾉ　　　 ,, 　/´　　ﾌ/:::::::::::::　　　　　　準強制わいせつ、強制性交等罪で立件可能だ。
r´: : : : : :/'.、　　　　　　　　　　　　　　 、　 　 　 　 　 　 /:::::::::::::::::
z―-イ´: : :'.,　　　　　　　　　　　　　　　ヽ､　　　 　 　 r┴‐‐---―　　　　　　世の男性諸君が思っているより、女性と関係を持つのは
: : : : : : : : :○',.　　　　　　　　r、　　　　　　　-―　　　 l;.;.;.;.;.;.;,;.;.;.;.;.;
二: : : : : : : : : i　　 　 　 　 　 i ゝ　　　 　 　 　 、_　 　 i;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;　　　　　　　リスクが伴うのだ。女性の鶴の一声で身を滅ぼしかねん」
: : : : : : : : : .-=i　 　 　 　 　 rj　|　　　 　 　 ｒ;.;.;.;r:::::::::::i;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;
: : : : : : : : : : : :i　　　　 　 　 i i　|　　　 　 　 ＼;.;.ヽ:::::::::i;.;.;.;.;.;.;.;.;.;/　　　　　　　　ふーん。





　　　　　　　 ､　- ‐‐ -,
　　　　　　 ,´: : : : : : : : :
　　　　　　ﾞｉ : : : :○　○ﾞｉ
　　　　　　 }: : : : : : : _ _ _|　　　　　　というわけでね、今回はここまでだ。スレ住民諸君も、おせっせは彼女と、シよう！
　　　　　　 |: : : :-=´_　_,´
　　　　　 y' : : : : :_: : : : :i　　　　　　　男女関係って、結構簡単に男が塀の中にぶち込まれるからね。ビーケラホー。
　　　 　/ : : : : : : :┌─┐
　　　 　i : : : 丶: :ヽ{ .茶 }ヽ　　　　　　次回は来週の月曜日、6/7午後九時からだ。シーユーアゲイン。
　　　 　ｒ : : : : :ヽ、__)一(_丿
　　　 　ヽ、___ : : : :ヽ : :ヽ
　　　　 と_ : : : : : : ノ : :ノ
　　　　　　￣￣￣　￣

2571 名前：安価のやる夫だお[sage] 投稿日：2020/06/02(火) 00:06:20 ID:5jTX2unE0
遅くまでお疲れさまでしたー

2572 名前：安価のやる夫だお[sage] 投稿日：2020/06/02(火) 01:55:40 ID:oVqPXbls0
乙でした

2573 名前：安価のやる夫だお[sage] 投稿日：2020/06/02(火) 17:45:21 ID:itDeZXeQ0
乙