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【安価】やる夫は誰かのために戦うようです【R-18】 第22回

1177 名前: ◆x0SRSoJXe.[] 投稿日:2019/07/15(月) 21:06:48 ID:xsEVkrZQ0 [3/21]

ミh、      /l!                   /::ノj!               jI斗=‐-x
}::::::ミh、 }h、 / j}l       __          / x¨イ、   >=ニ三ニニ==-=ニ三--ァ=ニ¬xヽ
`i ミ::::::ミh、'/_}l   jI斗イ。s幺     >ィ=f'l //ニ= ,ィf≦sf´乂 ”,。‐-  ⌒ゝ`x fxf=x/}l r=ァ- ‐ = ニ 二ミメ、
`ixh、 `r‐=‐-。`,xfーァx‐'s<っ  /r',ィfつ/ ,/=ニxヾ、 Y心'x-‐=r-‐=ニfニニ二lYiヽ 二ニIiIiIiI廴 j I 斗 ' " ´
/ 人 > 乂_∋ムヽっニハー` x_〈{ / ̄x /l{  ,) }lx‐xニニ{三I}jI斗‐ = ニ ´ ̄弋I>/,ィ'iIiIIirfx
レ彡 〉、    \ /<ニニニ>οハ  >i! j! ァ== "´      ̄⌒             l{三三l{H}
   /x ノ,_x'^ 、l!f < > ,。sf≦´ァイ}ノiノ                          ゝ=-‐<
f ヽ > ヽ//ニミ>。, マ `rf≦マ>s >
jI ム jIノ /ニニ7  > マ   x,/ヾ〉
  ム r' ./ニ=-7     ノx─ァxヾ/
    }lxノー-=┘ ,ィftx' Y ヽ' r‐λ
  〃 l  lll   l{jIイソ / /弓 ム ヽ
 〃 ノ ,ィノ   / ¨´/ 从 l!7 マム 圦

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国家の枠が消滅し企業が台頭してから三十六年。
ネクスト戦役の爪痕が未だ深く残る世界に、それは突如として起こった。

テロリズムへの加担を企業連に告発された桜花重工への粛清から五日後。
親企業であるオルデンブルクが企業連からの脱退を表明、
IGIOグループ保有の軍事要塞へと独立傭兵を主としたネクスト部隊で強襲、
完全破壊の後に宣戦布告を行った。

また、この離反にSIグループが同調。
並みいる企業のトップに君臨し続けていたIGIOをその座から引きずり下ろす
という点では、彼らの目的は共通していたのだろう。

こうして、オルデンブルクグループとSIグループは企業連を脱退、敵対。
両社は一時的な同盟協定を結ぶこととなる。
以降、二社の協力体制はユニオンと呼称される。

対するIGIOグループ率いる企業連はオルデンブルクグループとSIグループを
反体制組織として正式に認定、粛清対象とする。
ブライドルは事実上機能を停止。全ての中立領域が撤廃された。

後の歴史に刻まれる、第二次ネクスト戦役の幕開けであった。
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1178 名前: ◆x0SRSoJXe.[] 投稿日:2019/07/15(月) 21:14:12 ID:xsEVkrZQ0 [4/21]

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       -=/ニ/ / /′   {ニ><ニ/ニニニニニニニニ\ニニニニニニ∧∨ /\ニ:\
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    , /ニ/ / /          /¨<ニ≧{{ニニニニニニ>'      ¨<ニニ∧∨ /ニ'∨ム
   ,'/ニ/ /, ′          /ニニニ><>。ニニニ/           `¨<,'∨ /ニニ\ム

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これにより、ネクストたちの手綱はブライドルから離れた。
元々出資と支援を行っていたリンクスたちを企業はそのまま
専属リンクスとして契約を結び、完全にその戦力を企業に帰属させるものとした。

IGIOグループはブライドルランク1、ネームレスを筆頭に、
ランク3ラズルシェニャ、ランク5トワイライトクラウン、
ランク7リンドヴルムなどの上位ランカーネクストを主戦力として徴用。
また、多数の同社保有ネクストと共に独立傭兵を抱え込んだ。

対するユニオンはランク2ラストとランク4ロストワードを最高戦力として据え、
絶対数の差を独立傭兵との契約で埋めることとなった。

それでも両者の数の差は埋まらず、さらに大量のトップランカーを擁する
IGIOグループの戦力的有利は圧倒的なものであり、
当初は誰もがユニオンの負け戦と信じて疑わなかった。

オルデンブルクとSIの既存ネクスト戦力は個としては最高峰だったが、
それの肉付けのように寄せ集められた独立傭兵たちはいずれもランクは二十代。
有象無象ではIGIOグループのトップランカーには手も足も出まいとし、
事実、そうであった。
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1179 名前: ◆x0SRSoJXe.[] 投稿日:2019/07/15(月) 21:15:23 ID:xsEVkrZQ0 [5/21]


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、   ヽ! r<!  / ヽ V!
 V/--、V  j} ./    i }.!
、 .マム-ムV/ ./  _  ! i i
. ヽ-'! 〉,___V// / r`-、/         ,ゝ--- 、
--<  〉___〉 ! i' /!.   \      /       \
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___.\   \{!   \  i.:.:.:.:..、_  , '゚´ \r<>--<   ヽ、. ヽ
{  `ヽ、ー‐}!、   \ヽ;.:.:.:.:.:.:.ヽ、  ,  \ilililililil/  /  V/ }!
{      _V//´` 、> 。:.:.:.:.:..、___   Vililill{  / }、 i}/
ヽ_jI斗ャ≦ ̄ ̄ ̄`ヽ/>{ili{≧s、_:.:.:.:.:.、  Vililiヽ__/{ } i V/
ililil{_   __/     \il>-、ililij!ililヽ;.:.:.:.\_!ilililili}_  ' ヽ, V/
ili{´ヽ、/        __\ililil_}ilil>‐<、ヽ、:.:.:.}ilililili} V/   ヽV/
iliト、  \      /   `ヽililil>-<ilヽ/≧'ilililil〈  〉      }!
ililili}    V/   ./      ` <ilililililil\ `ヽ>ー<    }!
ililili}    V/    V/      _ `¨¨`Y-<゚    /  > 、}!
ililili}    V/   V/     {f¨`ヽ      `゚ <}       \
ililili}.      V/   V/     {!             `>ー - -ヽー 、
ilili/     _V/   }!                 /    ヽ    \
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たった一人。
独立傭兵からオルデンブルクへと正規契約を結んで転身、
ロストワードと共に戦場を翔けることとなったかつての英雄の機体。

登録当初は分不相応のネクストを与えられた素人、
すぐに戦場に没すると目もくれずに放置されたリンクス。

沈黙の名を冠するネクストの相棒として知られることとなる名機。
白銀のネクスト、マーシフルを除いて。
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1180 名前: ◆x0SRSoJXe.[] 投稿日:2019/07/15(月) 21:15:38 ID:xsEVkrZQ0 [6/21]


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1181 名前: ◆x0SRSoJXe.[] 投稿日:2019/07/15(月) 21:30:21 ID:xsEVkrZQ0 [7/21]

     /.   ァ' |       \   l      |、
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   |.    | |  .ヘ  \ {>―-、. |      | ̄ヽ'
.        l |   ヽ  <ヽ{ ヽ ヽ ヽ|.    |!‐ 、
        ',|ヽ\  \ | l  ,ヽ ', |.    | 〉 〉
        ヽヽ \{\ト、.}ァ'′ ^. |    |/=' .イ: .         ――ブライドルランク26、リンクス、入束やる夫様。
                  レ′      |     |ァ‐彳、: : .
             〈       │    |!    ',: : : .        登録を完了、以降は当社所属のリンクスとして
                   l        |     |    ',: : : .
                   ヽ`´   │.    |  <⌒イヽ: : \      任務に従事していただくこととなります。
                    ∧    , |    |ー''´ } \___\: :
                  ゝ< 斗.    |\  ,ィiニニニ=-      ここまでで説明した通り、こちらも支援は惜しみません。
                    < |    |  /ニニニニ=-
                       \|:/  ,':∨ニニニニニ=-       
                     /   ,' /ニニニニニニ=-
                     /   /イニニニニニニニ=-
                     /   /ニニニニニニニ==-
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                   ,   ./ニニニニニニニニニ=-
                    {   {ニニニニニニニニニ=-

1182 名前: ◆x0SRSoJXe.[] 投稿日:2019/07/15(月) 21:30:32 ID:xsEVkrZQ0 [8/21]

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           ´ ,,斗-=,≧ュ! `ヾ´   ` 、
        '   ´  /  |         \
.        {: Y          |  .{        ヽ
.         乂{    /      .从  {     、    .‘,
            ′    ' ′{ヽ‘,.、 _j__ ‘,‘,
           i   i  {_{_j_{ Ⅵ´\!\ } ‘,   .i
           |  从 ´{ Ⅵノ  }' 抖芋ミ      |
           人 、‘,  ァ芋ミ    V少 ¦ !  :|        ようこそ、オルデンブルクへ。
            ヽ{\゙,. ハVソ 、       i i ! ¦
              }i 乂从     _ '   ' ; .! 人         我々はあなたを歓迎いたします。
              }i   个s。. _  ,.イ_j ム斗-- ミ
                  八 | i   _j廴__r 7/| .'ニニニニ\       企業の創る未来は絶対ですが……
               /  ,ji i__ 」辷フ77イ__j_{ニニニニニニヽ
            / ./‐i 厂 `ヾ}{フ“´ ̄ :}ニニニニニニニ}      その企業はIGIOではなく、オルデンブルクです。
               / ./ニニi'   (/)__  ヽノニニニニニ/⌒,
            / ./ニ/廴,,才7^*、 ___)'^‐乂ニ‐r 'フ´ r 7!       あなたがたはその未来への先駆け。
.            /  人ニ{ニニ7__ /′  Γニニニ廴{7   L}_j__
            /     ヾ ‐ニ⌒V_レ'⌒ー'ニニニ(r_'´,   、___)     あなたの後に、無数の希望が続きます。
         /      マニニ{ニニニニ‐(__/  {   } (.i}
.          ′      }ニニムニニニニニ7 / /⌒ 、_ノ r'i}        その身にご武運を。
                    ノ‐ニニニ}ニニニニ‐{ (_/{/_j  」一' i}}
        ,゙        /‐ニニニ7ニニニニニ)、  厂`´   ノ}}
              /ニニニニ7ニニニニ¨´ニ\/       '
      i    ,〈ニニニニ/\ニニニニニニニヽ   /
      |    _‐ニ\ニニ/ニニニ\ニニ>''“ ̄`ヾ /
      |  _‐ニニニ`¨´ニニニニニ`ー´ニニニニニ\
      | _‐ニニニニニニニニニニニニニニニニニ‐\
      |_‐ニニニニニニニニニニニニニニニニニニ二\
      _‐ニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニ‐\
     _‐ニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニ‐ヽ

1183 名前: ◆x0SRSoJXe.[] 投稿日:2019/07/15(月) 21:30:47 ID:xsEVkrZQ0 [9/21]

                         ____._ _
                      └‐ォ |UU  `
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                               )ヽ    (  ___________________
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ - <       >━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄   )     て
                              /^⌒`Y´^\     ._ _
                                             UU/7
                                                 くノ

1184 名前: ◆x0SRSoJXe.[] 投稿日:2019/07/15(月) 21:30:57 ID:xsEVkrZQ0 [10/21]


            /| |    ! i   | |\
            /./i ト、   i .!  /i .!\\
.        //  ! .i ∧ i .! ./ .! i   \\
       `¨` ヽ、 i ! .∧ ! i ./  ! i ,ゝ ´¨´
             〉.! .i  / i_.! ∨ .! i〈
           / i i>'´ `ヽ、_! i \
          ヽ、 i,':::{ i    i }::', .! /
           ∨_}、::{/:.、__,.:'マ:ノ i_/
           , '´  ゛´\::::/`゛   `ヽ               r-、-
、_         X       }ililili{      X          _/{二二}、_ \  `ヽ、
,} ヽ      {、 ヽ、   Y  ̄ Y/   / .,}       / {!     } ヽ  V/   \
  〉       `ヽ、V/  ヽ |! /    ./ /          /  V/   ./  }!,-、V/    \
  /}___  ___  /ヽV/ i     i  /'´ ヽ  ___  __マV/ V/___/   /j}  マ∧    ヽ
. // _ `ヽ   ∧`ヽ、 .V/|      | ./ ,。< /  / ´ _ ヽV/ V__/   /、}   }/i}     V/
//  {_}  V/ ∧_.{、 ヽ,!i|      | / , }_/  /   {_} .マV/   ./ ,j}    }/}       }/
.{>、____  .V/ ∧ 、{ヽ.V!  i  |, /´i. /  /   ____>‐V/  ./-,j}    }/        }/
..`ー‐―<>、V/ ∧ ` Vヽ、.i._/ ./´ /  / >゚´>-― '  ー‐'  ヽー

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アリス達オルデンブルクのリンクスの拠点として用いられている
旧ドイツ領コロニー・リメリックのネクスト収容整備施設格納庫に、
マーシフルは鎮座していた。

格納庫の構造は、基本的にトウキョウのものと変わらなかった。
鉛色の壁に覆われた空間には、様々な機材や整備用のMT、
搭乗用の小型エレベーターなども設置されている。

白銀の装甲に覆われた脚部パーツのほんの隅に、自分の姿が映る。
まるで巨人となった自分を足元から見上げている気分だ。

周りでは紺色の制服に身を包んだ整備士や技術者らしき人たちが
忙しなく金属音を鳴らしている。

少しだけ、懐かしい気持ちになった。
まだ一月も経っていないのに、トウキョウのネクスト施設が
壊滅したのが大昔のようだ。

マーシフルを整備してくれていたエンジニア集団の顔が脳裏をよぎる。
若い女性もいた。むさくるしい壮年の男もいた。
笑っているときも怒っているときもあった。
誰もが、マーシフルのリンクスである自分を応援してくれていた。
胸の内が酷く冷たく感じられて、頭を振る。

ブライドルが機能を停止してから、まだ二日も経っていない。
やる夫となのははアリスの駆るロストワードに導かれ、
このコロニーへとやってきたのだ。

この場所に来るのは、アリスに誘われて泊まりに来た時以来だ。
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1185 名前: ◆x0SRSoJXe.[] 投稿日:2019/07/15(月) 21:31:15 ID:xsEVkrZQ0 [11/21]

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  ヽ::::::r‐‐|::::::l::::::l:::_」::-r‐:/7フ´「/ .l/ォミ:::l::::l::::::l:::::::l
  . ヽ::{  l:::::::l:::::l:´::l:::/∠ ニ=ミ  チ゚://::/ /:::::イ::::/
    ヽ\ ヽ:::::l::::::l::::<´,イ  ,リ   .ム//;イ:::/::::/.l:::/
     ヽ:>ーl\{ヽ{ヽ{  辷z/     l'//::/l:::/ l::/
     V  .l::::l` `            v':// l:/ l/
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  ./  \ ヾヽ、ヽヘ/` ┬-....´:::::::::/'::::::::::l

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「あれだけの人が死んで、たくさんのコロニーが壊されて。
それなのに、世界は何一つ変わってない。
きっと、人は最後の一人になるまで、戦争を続けるんだろうね」

隣に立つなのはは、瞳に深い諦観を浮かべながら佇んでいた。
硬く握り拳を作り、やる夫の乗騎となったマーシフルを見上げながら。

彼女の悲哀や後悔は、やる夫には分からない。
理解はできるが、それを自分のものとして感じることはできない。
実際になのはの過去を経験したのはなのは本人だけであり、
それを他者が感じる術はない。ただ、表情や言動から想像するしかない。

けれど、彼女の目には、決して明るいものを映してはいなかった。

「ま、少し意外だったけどね。オルデンブルク、今はユニオンだっけ。
ユニオンが企業連からの脱退と宣戦布告を発表した時、
即断即決で君がオルデンブルクに着くって決めたのは」
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1186 名前: ◆x0SRSoJXe.[] 投稿日:2019/07/15(月) 21:41:11 ID:xsEVkrZQ0 [12/21]

     ____
   /      \
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|       (__人__)    |
./     ∩ノ ⊃  /
(  \ / _ノ |  |
.\ “  /__|  |
  \ /___ /

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その発表が為された直後に、やる夫はオルデンブルクに着くことを
なのはに告げ、アリスと共にこのコロニーに来た。

「それに、あんなにやさぐれた目をしてたくせに、今じゃ全然だよね。
なんかこう、今を見てる目をしてる」

それだけは、なのはも喜んでいる節があった。
自分の意思を彼女に告げた時、彼女は何も言わずに頷いてくれた。

「別に、信念とか正義とか、そういうものができたわけじゃないけれど。
今は、信じられるものがあるから」
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

1187 名前: ◆x0SRSoJXe.[] 投稿日:2019/07/15(月) 21:44:08 ID:xsEVkrZQ0 [13/21]
                    //:.:.:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ≦=‐ 、
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                   i//:/r-メzュ、/:./:./|:/:.l:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.、:ヽ
                   ,ヘ|:.|:|,≠オz、个/〃 //|:.:|:l:.:.|:.:.:.:.:.:.ヽヽ:i
                  ヽ/|:.|lヽら c7`´ / /≠、//:.:.i:.:|:.:.l:.|:.:i:|:.|
                     >:.|:.|. ゞ-シ′   7メ、/メ、/:./:/:|:.|:.:| |:.|
                       |l:.:|\       、ら::::ハ//`/:/:/l:||:.:|.レ′
                      ||:.メ       ′ ヽ´.,´´:イ|:/l:./:.|///
                  ,_z/| ミ.ヽ  ` ‐.    ,イ´:/:.///:.://      ……それじゃ、いこっか。
             _,,-r´| i!ヽ、   \__ -‐ <´:/:.:.///:.:./
       .,≠、<::´:::::::::::::::::| i!  ヽ、 /y    ///|:.:./:.:.:/:.:/         私の戦いの果ての意味を、確かめさせて。
      /:::::::::::`ヽ:::::::::>´ |  i!、 ./∨、|z   //.|:.:.:.:.:./:./
      ,ノ::::::::::::::::ヽ,イ´   |   ヘv′只ヽヽヽ/  |:.:.:.:.:.|:./
      ∧xz、::::::::::|∨   .!   .ヘ |_|lヽ | ヽ:`ヽ .|:.:.:.:|:.|:.|
     ≠ .ヽ}:::::::::| .∨ |   `ヽ、 .ヘ `}- | ヽ:::::`ヽ、|:.|:.|
     ヽ  ,'/::::::::|   v|:.      ヽ、/k´:^ヽ| ヽ、://|:.:.:|:.|
     ,':ヽ::´:::ゝ┘  .y: :.    <´   ヽ:::::::|k‐´ k:::/:|:.:.|:.|
     ,'::::::::::::::/ヽ : ;/: : :. ´    `ヽ、 .ヽ:::| ヽ|/::/}:|:.:.:|:.|
     7、_r ´  : : /: : : : : : : : :    `ヽ、メ/__ }:/,':.|:.:.:.:.|
    /    : : : :/: : : : : : : : : : : : : . ..  `ヽ  ̄∨:.:|:.:.:.:.:|

1188 名前: ◆x0SRSoJXe.[] 投稿日:2019/07/15(月) 21:44:31 ID:xsEVkrZQ0 [14/21]

                         ┌──────┐
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                               ・

1189 名前: ◆x0SRSoJXe.[] 投稿日:2019/07/15(月) 22:00:21 ID:xsEVkrZQ0 [15/21]

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       ヽヽ:.ヽゝう:::::}    b_::7〃l/:./|:.:| |/      あ、何かあっても私を当てにしちゃだめだよ。
            小、ミゝ…´   `¨‐‐//;,l/|:.|/:|/
          |:.:ゝ       `  //:.|:.:.:|/::.|        多分ネクスト起動テスト段階のバイタルダメージでも致命傷だから。
          |:.:.|ヽ、  -‐‐  ,∠:.:.|:.:.::|:.:.:|
             |:.:|. |> 、 _ イ  |:.:|:.:.:.:.!:.:.|         これまで通り、君の力で戦うの。 いい?
          |:.|/|――, ― |、 |/:.:.:.:.:|:.:.:!
        ,、r´:|:::| ヘ  /><l l ヽ|`ヽ:.:.:|:.:.|
     ,、r::´::::::::::::::| ヘ、/ 只ヽ|  ヽ:::::::`ヽ:.!
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 |:::ヽ::::::::::::::::::::::::::r L__lヽ‐‐‐yヽ/ `ヽ、:::::::/|
 |:::::::::\:::::::,、r ´   / ヘ:::::::::|  `<   `ヽ/::::|
 |rヽヽ:::::/     .<   丶:|   ./     |::::|}

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基地内部のブリーフィングルームへと赴いたやる夫たちは、
ビデオ会議でオルデンブルクCEOとの顔合わせを済ませた。

テーブルに埋め込まれた投影機から
出てきた立体映像に映った代表は、壮年の男だった。
経験と打算を重ねた無機質な声で、
淡々と大規模な企業間戦闘の開始を告げると、
今回の戦いに参加するネクストとそのリンクスを映像に映した。

その後は彼らに感謝の意を述べると、やる夫たち宛と思われる
個別メッセージが表示された。

「かつての英雄とその機体の帰還に感謝する。
そしてその後継者たる入束やる夫に、最大限の支援を約束しよう。
ようこそ、オルデンブルクへ」

企業側からしても、ネクスト戦役の英雄であるなのはが
元の鞘に納まってくれたのは嬉しい誤算だったのだろう。

とはいえ、なのははもう身体的に限界だ。
彼女曰く、AMSの負荷は問題ないらしいが、
彼女自身のコジマ汚染耐性があまり高くなかったらしく、
戦役終了時は余命幾許になるまで身体的に弱ってしまったらしい。

現在は大分回復し、こうして普通に生活を送れているが、
当時は肌の色や瞳の色が変質したりと大変だったそうだ。

リンクスとしての彼女の力を借りるわけにはいかない。
これは自分の戦いだ。
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1190 名前: ◆x0SRSoJXe.[] 投稿日:2019/07/15(月) 22:42:56 ID:xsEVkrZQ0 [16/21]

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         l:.ヽ:.:.:|:.:.:.:.:.:.|:.:.:匕:チ |:.≠.l/  ||,イう。,/:.!:|:.:.:ヽ:.:.:.:i  ヽ     独立傭兵の面子もお世辞にも豪華とは言えなかったね。
         ヽ:.ヽ:.|:.:.:.:.:.メ´:||:.yヒて个/   / .{::::j."i/|:|:.:.:.|.i:.:.:.:|
        ヽ:./=ヽ:.|:.:.:i:.:i,イ7::::::゚::|       b:y /:.l/:|i:.:.i .|:.:.:|        高ランクの独立傭兵は大体IGIO側に行っちゃったみたい。
         ゝ .个:.::.:ヽ|ヽ らツ少      ̄ |:.:i:.|||:.:| |:.:|
          \ .|:.:.:|\\. ゝ¨        、 . |:.:.|:.| |:.|  |:|         こればっかりはないものねだりしても……っと。
            ヽ:.:.:|                イ|:.:|:ヘ/   |
             ヽ:.ヽ.       ` ´ /:.:.|:/:.:.ヘ  
                  丶:.丶> 、    イ、:.:.:/:.:ヽ:.ヘ
               \ミ    ` ≧´   !\:.:.:.:.丶:ヘ
               ,>.|ヽ   ><   / .i:`>x.ヽ:ヘ
             ,、r´:/ | >‐、´     /  |::::::::::::::::::::`ヽ 、
.           ,、r´:::::::/  |/>-<\ .   /    |::::::::::::::::::::::::::::::::`ヽ 、
       ,、r´::::::::::::/  ./└t┘ ヽ./     .ト、::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::`ヽ、
     /::::::::::::::::::/  /|./ Ⅹ.ヽ  ヽ   >┘ \::::::::::::::::::::::::::::::::::/:::|





          仄いrく艾艾艾艾癶、
         r巛Uj〉j〉j〉::::::::::::::::::::辷う、   、
.        nrnrnrnrnrnrn:::::::::::::::::::辷う、   \
     /乂乂乂乂乂乂乂nrn:::::::::::::::辷う、   ヽ
   / ̄          乂乂nrn::::::::::辷う、
             \        乂乂n::::::::::rう)、
/               :.\   \    乂n:::::::::rう)     ′
  i      : :   ::::::. ヽ  :.\     乂辷辷く     ′
  ::|:.  ¦  :...:|....: i :::|   _}L.:.      艾艾艾\
  ::|:: |:::::l|:.. . .::::::|:: 斗r七'     |l ¦   Y⌒Y^  \   |
  ::|:: |:: 八:::::::::::::|l::l::| 〕斗ぅ弌7. |l  |:   V⌒ト、 \\ |        味気ない顔合わせお疲れ様。
: |:八:. 、:::: ヽ :::::::八乂{ア乂`ーク  |l  ハ:.   |   |l \ \\
: |::::: \\⌒\/     ''¨゛´   八Λ|:: | |:) 八.   \ |        「ああ、アリスちゃんとシグナム」
八::::::::::|\ 托笊!           ./ .:/ ..:|:: ハ! ,.:代_____\__
:. \ : |\\`ー1          //〉..:/|. / 「 ::|l   |.    )    )    
\  丿:::::ヽヽ込、    ァ     //  ′/  :|l   |   (
  \   乂__込、   ィ_ノ       ./  /   |l   ト、
.    (  |:l \ \     「ヽ     ./  /:/... 八|:  |:::\
     \|:l:: |:ハ  ヽ  } }. イ..::/  /:/   /|:: |:  |:::::::::\
       |:l:: |/Λ 个ヲ 厂 ハ/  厶仏:::/^|:: | . ├――=ミ
       |:l:: |/: Λ V /: 厂\彡く/|..../: : |:: |:  |
       |:l:: |:::/::Λ  V/ 厂  ィ::::八/::::::::|:: |:  |

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
なのはが途中で言葉を断ち、やる夫の背後を視線で指した。
振り返ると、鉛色の通路の向こう側からアリスとシグナムが手を振っていた。

互いに歩み寄り、向かい合う。
戦争の始まりであっても、アリスとシグナムの表情に乱れはない。
自分となのはもだ。思うところはあっても、取り乱しはしない。
生きるために銃を取ることに、誰もが慣れ切ってしまっていた。

「全く、骨が折れたわよ。
マーシフルの整備チームから医療チームの配備、
住居の用意、専用設備の搬入、全部承認してもらえたわ。
感謝なさい?」

アリスが鼻を鳴らして胸を張る。
どうやら、マーシフルや自分たちに関する設備や人員は、
全て彼女が話をつけてくれたようだ。
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1191 名前: ◆x0SRSoJXe.[] 投稿日:2019/07/15(月) 22:56:27 ID:xsEVkrZQ0 [17/21]

     ____
   /_ノ  ヽ、_\
  /( ─)  (─)\
/::::::⌒/)/) ⌒::::: \     色々、ありがとう。アリス。
|   // /      |
\ | /  二二)    /
/ i   r‐一'     \





           /;;;;r' ̄´      ` ̄ゝ、;;;;;;;;;;ハヽ
          /ソ´              (ヘ;;;;;;;ハ)ハ
         //´      /             (ヘ;;;;;;;|) ハ
           レ'         /|   ヽヽ ヽ    (ヘ;;;;|) ハ
          /      /   /│    |_\|__|__ (ヘ;|)) ハ
          l    /  l | |   r'|   | ハ  ` ((!!))   |
          |     | | 」-ト、ト、  |   _x===|   }((ト、ヽ |
          |    レ|´| | | ヽ |  rテ´   | / ハヽ__」〉|  
        _| |    | | |_==ヾ、 ∨        |/ / {{ ̄ ̄||
      〈l ̄〉ハハ \\x゙     ,        /// / llヾ〉 |||  
      ヾ_'-'∧. ヽ \\      _  ノ     jノ ,イ /| ll |ヾ_ |    /      ふふ、まあ当然よ。
       /||ゞ´∧ \_\ゝ          /// | {{|  | |    /;;;
        //´|| 〉〉、_ ヽ ̄ヽ、        /イ‐,,/  ゙|  | |∧/;;;;;;      これから一緒に戦うんだし、
     //   ゙ |_| /\\_|` - -、- < ̄;;;;;/l   } /`│_;;;;;;;;;;;
      /\ー─-、 /  / ̄/|   ||   |;;;;;;;|;;;;;;;;;;;//|   |_/;;;;;;;;| ;;;;;;;      もっと言えば、ここで一緒に生活するんだもの。
 ____/___〉;;;;;;;;;;;;>'  /  /l l/ ||  |;;;;;∧;;;;;;;;;/_ |  /;;;;;;;;;;;;;;;;;;;| ;;;;;;;
__ゝ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;// /| /-ト─--' ̄\/ |ヽ;;;/  | /レ';;;;;;;;';;;;;;;;;;;;| ;;;;;;      
_;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;/イ /;;;|/;;;;;;;;;;;;;;;/》/    \  《 レ'/;;|;;;/;;;;;;;;;;;;;;;;| ;;;;;;
>;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;/;;;| |;;;;;;;;;十、/ヽ-へへへ/ ̄《/;;;/;;;;;;;/;;;;;;;;;;<´| ;;;;;;
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//    / ヽ/く;;;;;ヽ |;;;;|》     |/   /  《/;;;;;;;;;;;/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;/
  |   /   /  ヽ;;;;;;;;;;;;;|》ヽ  |   /   《/;;;;;;;;;;/ ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;〈

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素直に礼を言うと、アリスはにっこりと目を細めた。

思えば、アリスも少し変わった気がする。
最初に同じ任務に就いた時は、もっと淡々としていた。
非番の時もどこか感情の起伏が平坦に思えた。
今ではこうして、屈託のない笑みを向けてくれる。

もっとも、これが本当のアリスなのだと言われればそれだけだが。

そんなやる夫たちを見て、なのはとシグナムは何かを察したようにお互いを見合った。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

1192 名前: ◆x0SRSoJXe.[] 投稿日:2019/07/15(月) 22:59:54 ID:xsEVkrZQ0 [18/21]

 | : : :/ /: : : : : //: {: : :/: : :/: : /: : :/ : : /: : :/: /: : : /!: : : : :!: : /:/: : : : |: : :ヽ: : :
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 |: : : : :.| : : : : : : : :.| ||: : |、:| ヾ、         /: :/    ヾ- // }: / / !: :/ }: :
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 |: : : : :.|: : : : : : : : .|  | : :| .| ', ',         /      !    ./ !: /   / /:/  /
 |: : : : :.|: : : : : : : : :L___|: :| | ': ヘ、      ', ̄ フ  ´   イ i /    //
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                 ノ    `′ )|:./:.:||ハ:.:.:.:./:.:|//.:.: |:.:.:.:|:.:.:.:|      うん、お願いね。
                ヽ_ _   /ノイ:.:厶イ:.:.:.:.:.:.∧//.:.:|:.:.:.:|:.:.:.:|
                    ー'    /:./  ゙ζ:./  V//:|:.:.:.:|:.:.:.:|       こんなこと頼めるの、もうシグナムしかいないから。
                 八 __ /:./    >┐  ∨//:.:.:.|:.:.:.:|
                     /′/へ   x彡"/二〕 V//:.:.|:.:.:.:.|
                       Χ" //l|ニ\ V//:|:.:.:.八
                        〈 У'/   l|ニニ\ '//:.:.:.:.:.:.ハ
                    x〈/ / |-―‐|ニニニ\/,:.:.:.:.:.:.:.|
                  //′/|ニ|――「 \ニニヘ/:.:.:.:.:.:.|
                      〈/ /ニ〃ニニニニニヽニニヘ/:.:.:.: |

1193 名前: ◆x0SRSoJXe.[] 投稿日:2019/07/15(月) 23:10:43 ID:xsEVkrZQ0 [19/21]

   {ilililililillilil/ノ /   /      ヽ \
   {Ⅶilililili/ノ  il   i    ヽ   ハ ',
   {Ⅶil≦イ  il  .il  ト、   i    V
 _,彡イ 水 ̄ミヾ=.il  .il  ハ   ヘ  i .il
イイ  //ハヽ  //   il  i ト   ハ  il il
ヾ .//  Ⅶ_/ il  .升 | リハ il リ イ 丿
 .Y /    iliイ.  iト  ハト>K彡' }/ イ.//     歓迎会でもしたいところだけど、ミッションが待ってるわ。
 //    川  .il ヽK' / ィ= / i、 il
.//     ハi.l  人} ィ匕r:j    `ー,      部屋の案内とかは、帰ってからね。
Ⅵ     i i.l  .ハリ   ̄ ̄     /
illi}    il il  il il        _ _イ       じゃあ……行きましょう、やる夫。
ilil}    il Ⅵ/ ノ       - ' ノilリ
人     ヾ≧ '         / /        作戦説明は輸送時に行うとのことよ。
ilililゝ, - - 、 \\ r、___ /i./
ィ三三三三三ミ、ヽⅦミ=、_
三三三三三三三ミ、 \iミミ、

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
どうやら、既にミッションが発令されているようだった。
アリスの隣に立ち、なのはとシグナムに「行ってきます」と軽く頭を下げる。

「行ってらっしゃい。私もすぐオペレーションルームに行くから」

「私は、君たち二人とは別の任務がある。同行したいのは山々だがな。
くれぐれも無理はするなよ、二人とも」

なのはとシグナムは、優しく落ち着いた大人の目をしていた。
成熟し、汚れ、定まった眼だ。

彼女らに背を向け、アリスと二人でドックへと向かう。
足音のリズムに迷いはない。戦場に向かう足取りに恐れはない。

不安に塗れた今を振り払うように、歩を進める。
今はただ、二人の明日を信じていたかった。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

1194 名前: ◆x0SRSoJXe.[] 投稿日:2019/07/15(月) 23:10:57 ID:xsEVkrZQ0 [20/21]
                         ┌──────┐
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                                   □

                               ・

1195 名前: ◆x0SRSoJXe.[] 投稿日:2019/07/15(月) 23:24:50 ID:xsEVkrZQ0 [21/21]

       , -‐   ‐- 、
     /: : : : : : : : : : ::',
    , ': : : : : : : : : : : : : : :',
  /: : : : : : : : : : : : : : :○:',
  ヽ : : : : : : ○: : : : : : : : :',         今日はここまでだ。
 .  `ト : : : : : : : : : : : _,-‐'`iヽ _
    i: 丶: : : : : :,-‐'´__,-‐'´: : : `ヽ     短くてすまないね。明日も朝から日付が変わるまで仕事なので許してほしい。
    | : : :ト: : : : `-‐´ : : : : : : 、: : : 丶
    | : : :'、j`-‐ : : : : : : : : : : : \: : : ヽ   哀しいねバナナージ。最低時給四千兆円くらい上がらないかな。
    丶,,:_:_:_: : : : : : : : : : : : : : : : | : : : i
          `ヽ: : : : : : : : : : : : `ー‐'
             ヽ: : : : : : : : : : : : : ヽ





         ,- ‐‐ - 、
       r‐イ: : : : : : : : :`,
      i /○ ○: : : : /   /` 、
       i_ _ _ : : : : : : :{    / : : /     それじゃ、次の投下は……そうだね。
       `,_ _`=-: : : :|   ノ : : /
       i: : : : :_: : : : :'y´ : : : /       あんまり間隔開けると人が離れそうだしなあ。22の午後九時としよう。
       `-‐、´: : : : : : : : : /
            ノ : : : : : : : : i´         湿気が凄くて洗濯物が乾かないけどシーユーアゲイン。
          / : : : : : : : : : :|
           i: : : : : : : : : : : !          
.          (`ー‐-  -‐ _}

1196 名前:安価のやる夫だお[sage] 投稿日:2019/07/15(月) 23:35:45 ID:fIYazEmI0 [2/2]
乙でした

1197 名前:安価のやる夫だお[sage] 投稿日:2019/07/16(火) 08:04:49 ID:65xkoyDA0




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