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【R-18】雇われサマナーキル夫 第八話『Nobody knows hero』

411 名前: ◆x0SRSoJXe.[] 投稿日:2018/05/08(火) 21:51:32 ID:PRimjMIw0 [2/49]

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412 名前: ◆x0SRSoJXe.[] 投稿日:2018/05/08(火) 21:54:58 ID:PRimjMIw0 [3/49]

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十年前、俺の住んでいた町が毒ガスの散布による大混乱に陥った。
ガイア教団とかいう宗教団体のテロだったと聞いたことがあるが、
真偽は分からない。

その時のことはよく覚えていない。
ただ、ぼんやりと覚えているのは、炎の熱さと焦げた匂い、
そして聞き慣れた誰かの悲鳴だけ。

生き残った俺は、ふと思った。
なぜ俺は生きているのか。
なぜ俺の命だけが生きることを許されたのか。

それはきっと、使うためだ。

誰かのために、この命を使う。そうすれば、いつか、きっと――――
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413 名前: ◆x0SRSoJXe.[] 投稿日:2018/05/08(火) 21:55:09 ID:PRimjMIw0 [4/49]

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414 名前: ◆x0SRSoJXe.[] 投稿日:2018/05/08(火) 21:56:51 ID:PRimjMIw0 [5/49]

         ,ノ : : : : : : : : : : `ー: : : ::..:::. ::::`、
           レ : : : : : : : : : : : : : ::. ::..::..::::..:::、;!
         l ;i: :.: :i; :ヾ,;,_ヾ-、ヾ`、::..:. ::::::::::i,
         レヾ!::ト、!`ー,r‐'''´   ヾ::;r'´ヾ::i
           `、! _,r' ,ri´ ̄ !   V,ノ ,'.,!:!
              ` 、  ヾi_,ノ     ,,,ノ`、!             ……なんだ、これ。
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手紙と共に送られてきた荷物の中身は、おかしな機械だった。
ベルトがついていることから、どうやら腕か足に巻き付けて使用するものらしい。

手紙の内容はこうだ。

「君は僕を覚えていないだろうが、僕は君を覚えている。
僕はとある組織を裏切った。その組織は、僕と接点のある君を狙いに行くかもしれない。
その時は、これを使うといい。これが君の身を守ってくれるはずだ」

全く持って身に覚えのない、不気味な手紙だった。
新手の宗教かと疑いもしたが、その鈍色の機械を見ていると、不思議な気分に
させられた。妙に懐かしいような、そんな気分だ。

そのせいか、捨てるに捨てられず、気が付けばその機械を通学用の鞄に
放り込んでいた。
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415 名前: ◆x0SRSoJXe.[] 投稿日:2018/05/08(火) 21:57:08 ID:PRimjMIw0 [6/49]

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416 名前: ◆x0SRSoJXe.[] 投稿日:2018/05/08(火) 21:57:54 ID:PRimjMIw0 [7/49]

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       ′| 劣  丈≧zz}:.:.ハ:.:.}:.:.:.:.:.}:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.       おはよう、桜。
           '. 必    二,,_⌒゙}ヾ从.:/:.:.ノ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.}
         |..:丿   ''" ん心、   }イ:.:./:.::.:.ノ:.:.:.:.:.i:.:. }       藤ねえは?
           「       、乂_ソ 〉  }:.:./⌒Y:.:N:.:.:.:从リ
.       ∧        ̄      }/)::: . }:.:.:.:.: /         「昨日やり忘れた仕事があるそうなので、早めに学校に行ってる、
         ∧ヽ、           _.::: /:.:.}从{
                       ,.r一'´:.:.:.:/            だそうですよ」
         人    __,.。 *''":::  }从从ト、
            _  ̄ |:::::::::::::::/       ..ノ:|、__        そっか。じゃ、朝飯作るか。
         |:i:~"''~、、__ /__,. -‐'' "´:i:i:i}:i:i:i:i:i:i:i
            }:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:iノ:i:i:i:i:i:i:i:
          ):i"''~、、:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i/:i:i:i:i:i:i:i:i:i:
       ,.。*'"i:i:i:i:i:i:i:i:i:iうぅo。i:i:i:i:i:i:i‐=≦i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i
  _,.。 *''"i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i
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417 名前: ◆x0SRSoJXe.[] 投稿日:2018/05/08(火) 21:58:07 ID:PRimjMIw0 [8/49]

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合鍵で入ってきた、後輩の遠坂桜を出迎える。
去年怪我をしたときに、家事の手伝いということで我が家を訪れて以来、
彼女は後見人役の藤村大河という教師と共に、この家の住人と化していた。

自分には両親がいない。正確には、いた、というべきか。
十年前のテロで、二人とも亡くなった。その時、自分はある人に助けられ、
衛宮の姓とこの家、そして少なくない財産をもらった。

その人のことはほとんど覚えていない。最初に出会ったきり、彼はありったけの
生きていくうえで必要になりそうなものを自分に残し、「仕事があるから」と
行方をくらましてしまったのだ。

だが、自分はその人を父と思っている。
あの人がいたからこそ、今の自分があるのだから。
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418 名前: ◆x0SRSoJXe.[] 投稿日:2018/05/08(火) 21:58:22 ID:PRimjMIw0 [9/49]

                 ̄` _
             /          ̄`ヽ
                /
         /   / /            :..
.        '   /               i
         |  i|:| |         } ⌒\ {
         |  l|:| {     /  / / /}  __≧K〕
         |  l|从{八   /} /} /j/∧ // Y‘,
         |  ||r示示\{ ィ抖示ミ 彡' Y} i | 〉       ……さて、それじゃいただきましょう。
         |  || 上り    上:::り  fニ }L{_|,/
         |:  八//      //   r:::ノ ノ | | |        あら、先輩。自分の分の箸、忘れてますよ?
         |:   へ  ′_,     r―イ :| | |
         |:   |:i         / |   | | | |        「おっと、サンキュ、桜」
         |:   |:|  |>ー ´    |_  | L{T´
         |:.   从  〔冖}__.....-‐=  ̄ }_:|   |
       __|:. // {ー' 「| }::}     //\ |
      /:⌒|:. //  |  r':::| |::|          /`ーァー
.     /   |/}/  |/:::{/{く:::ヽ.  /   /   /    |
    /   (   /:::::/个:::::::::\/   / /     |
    /     /::::::// :|::::::\:::::\ / /       |

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自分には何のとりえもない。特別な力など何もない。
だけど、何もないならないなりに、精一杯やっていくつもりだった。

理想の自分に、少しでも近づくために。
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419 名前: ◆x0SRSoJXe.[] 投稿日:2018/05/08(火) 21:58:41 ID:PRimjMIw0 [10/49]

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420 名前: ◆x0SRSoJXe.[] 投稿日:2018/05/08(火) 21:58:56 ID:PRimjMIw0 [11/49]

                      ノ} _
                ヽー.....、r',; :::.ヽ- 、`ヽ
              ,.  -┴-  、l/__ :::ノ : . \:ハ
.          _ / : : : : : : : : : : : : : : `丶フ: V
         //{ : : : : : : : : : : :l:r 、 : ヽ:へ \ '.
.         _/,.イi!;;;;;V : :/ l: : :l: : :lハ^^ヽ: : .Vハ::.ヽ'.
    ,. - /. : ヽi!;;;;;/. : :l: :l: : :l: :l: lハ   Yト、Vトi\:::.'.\
.    ヾミ/. : : : : Y^ ー ァl: :l: : :l : lヽトlハ  ,.N l:V:!ヽ:` ー \
.     l : : : : : : Yi,;;;;l;;〉: lヽ: :!ヽl::l\ ヽィj「i.l: 〉l ::ト、:::. : : : .丶
.      l:. : : : : : : Yi,/,;}ハ l ,.ヽト'´N  ヽ.以 lイlリ\:::.\::. :: : : : . . . .
.      l::::.. : : : : : |, -ミ{ Ν,.ィf乏丶、  、  l∧  \:::.\::::.... : : : : : : : : ̄       おはよう、桜。
.     l:::/,:... : : : |{ i >、,ヘri乂ソ     ′/.:::::\:.、 `_ー ニ=---z-ァ=ニ二
      V /,:::::::. : |lヘーミハ ゞ'∧.ハ_   t7 /ヽ:::::l:...` ー 、:. :.`ヽ`¨¨´           今日も通い妻ごくろうさま。
        V /,::::::::..:|l::::K⌒ヽ 「 「 yiヘ,_" イ::::/:):::!::::::::.. : Yト、: lハ
.       V /,:::::::::..l::::l::l >、 ヽト、ヽ〉l \スノく::::::l::::::::::::. jノ :}/ !             「ね、姉さんっ」
.         V /,: : ::::.∨l/.: :.丶、`ヽ  ! ノ.: ゚.:。:Y^ ー-=ニ∠ ノ_
         |ヽl : : .\:Vl、 .: .: .: __ー<´:. :. :. :. :. :l :. :. :. :. :. :. :. :. :. :.ヽ
         |:::l \ : : .\ヽ :. :. : :. :. :. : ̄\>_、_ :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. .
         |:::l::八\: : : ` ミニ=‐-==ニ>'´ ̄`ヽ:`ヽ:. :. :.__ :. :. :. :. :. '.
         |://. : \\::... : : : : : : : : : ̄二¬=-ァ=ニ二 : :-. 、: .ヽ、:. :. : l
        j//. : : : : :ヽ >t‐----------‐ ''" ̄ ̄  丶- 、\:. \、.ノ
     /://. : : : : ::::::::::ゝー-  __ :. :. ̄ ""'' - 、:. :. .\ : : :\:: 〉
    / :/. : : /. : : : ::::::// >、:. :. :. :. :. :`  、:. \:. :. :. :. :. :.ヽYi:. :Vlミ=-
   . : /. : : : :/ . :.:::/.://.:::::::::>、:. :. :. :. :. :. :. :.丶、:. :. :. :. :. :. :}ハヽVl:〉
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桜と一緒に登校すると、正門で桜の姉である遠坂凛と遭遇した。
この姉妹は学校では有名な美人姉妹で、仲も良かった。

「また、桜の朝練見に来たのか、遠坂」

「妹の頑張ってる姿が気になるだけよ。悪い?」

「いや、いいことだと思うよ」

美しい姉妹愛に、つい頬を綻ばす。
すると、なぜか遠坂凛はそっぽを向いてしまった。

「桜、そろそろ行かないと朝練遅れるわよ」

「はい、姉さん。それじゃ、またお昼に」
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

421 名前: ◆x0SRSoJXe.[] 投稿日:2018/05/08(火) 21:59:10 ID:PRimjMIw0 [12/49]

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           >.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:`´.:.:<.
         < ̄:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ.
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         !/!:.:!:.:/ハ:.|:.ト、:.ト、:.|ヾ|ヘ!ヽ!:.:.:.:ヾ!
         ∨レヘL_」ヘ!ヾ}、,りrt≦二リr‐:.!
            rラにテ!     ヒ少 レゝ }
            !ヘ ゞ=′    ` ̄´ ソノ            さて、と。
           ヾヘ  ′      /リ
               \ ´  ̄  /  |
               \__ / /  |
             「::::||::|  「| ̄ ̄ ̄ ̄|
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その後は、いつも通りの日常だ。
授業を受け、昼食を遠坂凛と桜と一緒に屋上で済ませ、授業が終われば
自分の仕事をこなす。

仕事といっても、生徒会などに所属しているわけではない。
ただ、自分にできることを引き受けているだけだ。
昔から機械いじりは得意だったので、壊れたストーブの修理などを請け負っていた。
業者ほど本格的な修理はできないが、簡単な修理ならいくらでもできる。

他にも、学園祭のビラ配りや、通学路の清掃など、色々だ。

塵も積もればなんとやら、こうした地道な努力が、いつか結果に結び付くと信じて。
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422 名前: ◆x0SRSoJXe.[] 投稿日:2018/05/08(火) 21:59:42 ID:PRimjMIw0 [13/49]

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           /      ノ
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下校する頃には、既に時刻は午後の七時を回っていた。

帰宅し、制服から私服へと着替えた時、ふと思い出した。
食材を買ってくるのを忘れていた。

財布やら何やらをポケットに詰め込み、ついでにあの機械も袖の下に忍ばせる。
試しに左腕に装着してみると、ぴったりのサイズだった。

まるでヒーローの変身道具だな、と思った時、不思議な高揚感があった。

そうだ。自分は正義の味方に憧れていた。それは子供の頃から変わらない。

十年前、テロに巻き込まれて入院していた日、自分と養子縁組を組むための
了承を得に来た父は、こんなことを漏らした。

「僕はね、正義の味方になりたかったんだ」

だからこそ、彼は自分を助けたのかもしれない。瓦礫の山から救い出して
くれたのかもしれない。

自分も、と思った。自分も、正義の味方になれたなら。
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423 名前: ◆x0SRSoJXe.[] 投稿日:2018/05/08(火) 22:00:33 ID:PRimjMIw0 [14/49]

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__/ヽ;;;;;;L.:   |  :.:, . | |    |从 |i^リ |..:;|   |   |                  /  |┤ \| |───────
7、ィ;;;;;/-i|..:.:.:|    ;|ノ{    |    ̄/ |   |   |              r──‐ァ.i  、イ 丶   | |i|i|i|i|i|i|i|i|i|i|i|i|i|i|i|i|
─‐イ /lil|.:.:.:.|: .: .:. 乂二)  |   // |   |   |               乂__.:.:/::::レ≪ ̄ ̄\ | |i|i|i|i|i|i|i|i|i|i|i|i|i|i|i|i|
 ̄]lll|/  lil| , . |: .: .: ..:...」___L// / |   |   |       /ハ、   y^.:..く.......|        〈二二二二二二二二二
_〕ll| _/ii|.:;;;''|.:.: : :..:イニニニニニニ」 /-_-|   |   |         〈.:.:.:.:ヽ_ /^ヘ=-{::::::|         | |───────
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買い物に行く途中、鞄の中から振動を感じた。
何かと思い、鞄の中を覗いてみると、あの機械の画面が発光していた。

取り出し、画面を見てみる。
エネミーソナーという文字と、赤い信号のようなものが映っていた。
いくら英語に疎い自分にも、エネミーの意味くらい分かる。

敵? 一体何の敵だというのだ。
馬鹿馬鹿しくなりつつも、特定の方角を向くと信号が赤くなることに気づき、
その方向へと歩を進める自分を嗤った。

辿り着いた先は薄暗い路地裏だった。
なんとなく空気が変わった気がし、身構える。
樹海や、暗い谷の底に放り込まれたような心地がした。

周囲を警戒しつつ、路地裏の奥へと進んでいく。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

424 名前: ◆x0SRSoJXe.[] 投稿日:2018/05/08(火) 22:00:57 ID:PRimjMIw0 [15/49]

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                             !./

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暗がりに目を凝らす。
黒に近い赤色の空間が、そこにあった。

そこら中に転がった手足。
粘質の咀嚼音。
およそこの世のものとは思えない生物が、人を喰らっていた。

息を呑み、その場に座り込む。
現実とは思えなかった。それと同時に、自分は懐かしくも忌まわしい感覚を
思い出していた。十年前のテロの日。その時の、死の予感だ。

怪物が赤く光る眼をこちらへと向ける。
瞳孔はなく、血の塊のような目をしていたが、確かにこちらを
捉えているのが分かった。

自分もあそこの死体のようになるというのか。
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425 名前: ◆x0SRSoJXe.[] 投稿日:2018/05/08(火) 22:01:22 ID:PRimjMIw0 [16/49]

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    ,lゾ  .〃   .,〃 ./  ,i";;;;;;;;./     ./     ,r'./     .,    ._/;;;;;;;;;;;;;;,,,./ ゛       . _,,-へ.iii
   .〃   ./l   、〃 ,ir / ;;;;;;; /    .,〃    .,ノン′  .,,ir'"  _/丶;;;;;;,ン'″    ,, ;;二二r‐''''、;;;;;;;.
   〃  .,ノ~;/  .,/./ .,ノ/ / ;;;;;;;;;;;;l  .,.. |″    ,i'ン"   ,ii'" .,..-'";;;;;;;;;;;,/゛  _,,,,,__ ,ir!'"       `'''″
  .il″ / ;;;;;/ ,ノ゙''゙,i彡'゙i/'";;;;;;;;;;;;;;;;;゙‐''"./     ,-/'" ,.. ;;/!"._./ ";;;;;;;;;;;.,./ _..-、., />'"゛
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╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
嫌だ。まだ死ねない。
まだ何もしていない。

声にならない叫びを上げながら、後ずさりする。

まだ、この身は何も成してはいないのに。

視界が赤く染まる。自分の血飛沫かと思ったが、違った。
気づくと、そこには人外の存在ではなく、極めて人間に近い女性が立っていた。
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426 名前: ◆x0SRSoJXe.[] 投稿日:2018/05/08(火) 22:01:33 ID:PRimjMIw0 [17/49]

          _____.|┃┃
.         /       |┃┃
     /        |┃┃
    /   (●) (●)|┃┃
.   |.  (トェェェェェェェェイ|┃┃        おっ、なんだ若えの!
.     \ \ェェェェェ/|┃┃
    /          .|┃┃        先に片づけちまったのか?
    / i       (.二つ┃
   { ミi      (.二⊃┃
   l ミii         ト、二)┃
   | ミソ      :..`ト-'. ┃

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
そして、その様子をとにかく人相の悪い男が覗いていた。
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427 名前: ◆x0SRSoJXe.[] 投稿日:2018/05/08(火) 22:01:51 ID:PRimjMIw0 [18/49]

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428 名前: ◆x0SRSoJXe.[] 投稿日:2018/05/08(火) 22:02:22 ID:PRimjMIw0 [19/49]

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            . : : |: : : ,ニニ.=.ニニi : : : :!: : ,
         ' : : :|: : : !ニニ===ニニl : : : l : : ,        …………。
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          ,: : .:.:.|: : :l.ヽ  _ _  イ:.!: : ,::,: : : ,
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      ,.!   ヽ/  !:l   ヽ  〃   ',:! ヽ /   l
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   ./: : l___./ >‐.!l‐= <_   _>≦三!≧、 i__i: ,
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  , : :.:.:.:.:{ニニム.二/:;ニニニニニニニニニl:',ニ,「o ̄}: : : ,
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. : : .:.:.:.:.:.:{.  ̄ ̄,': :,ニニニニニニニニニニ|: iニニニl:::::: : : ,
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【鬼女メデューサ Lv39】

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先程の人相の悪い男は、加賀喜留夫と名乗った。
私立探偵を営んでいるらしく、丁寧に名刺まで渡された。

その隣にいるのは、白いドレスに身を包んだ異国の少女だった。
右目は薔薇を模した眼帯で隠れており、白金色の髪を腰まで伸ばしていた。

対する自分の隣には、先ほど現れた謎の女性が直立不動の姿勢で立っていた。
メデューサ、と名乗った彼女は、一見すると長身のモデルのような女性だった。
だが、明らかに何かが違う。目の前の少女もそうだ。

彼女たちからは人間とは違う何かを感じる。

「生体マグネタイトは吸収されてないみたいだし、大丈夫そうだな」

加賀喜留夫は、一通り事情を自分から聞き出した後、検査器具のようなものを
自分の腕に巻いて様子を見ていた。

「大丈夫って、何が」

「お前はまだ、後戻りできるってこった。見たんだろ? あの化け物……悪魔を。
こいつも、お前の隣のそいつも、悪魔だ。俺は悪魔を使って悪魔を討つ仕事を
している。見たところ、既にその悪魔とは契約が済んじまってるみてえだけどな、
俺なら、というより、俺の仲魔なら打ち消せる」
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

429 名前: ◆x0SRSoJXe.[] 投稿日:2018/05/08(火) 22:05:14 ID:PRimjMIw0 [20/49]

     ____
   /     \
  /         \
/     (●) (●)\       全部忘れろ。それで明日からいつも通りに過ごせ。
|    (トェェェェェェェェイ) |
.〉     ∩ノ ⊃  /        俺が責任もって、お前を日常に帰してやる。
(  \ / _ノ |  |
.\ “  /__|  |
  \ /___ /

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加賀喜留夫が言うには、自分はまだ引き返せるらしい。
人を喰らう異形たちが潜む世界から、今までどおりの世界に。
桜の顔が脳裏を過ぎる。答えは決まっていた。

「俺は――」
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430 名前: ◆x0SRSoJXe.[] 投稿日:2018/05/08(火) 22:05:52 ID:PRimjMIw0 [21/49]

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                               ・

431 名前: ◆x0SRSoJXe.[] 投稿日:2018/05/08(火) 22:06:16 ID:PRimjMIw0 [22/49]

  /              \    \ゝ
  ア´         ヽ \ ヽ   i     ヽ\
 〃           ヽゝ‐-ヽ}>v} {  |  \}
 {       ヽ   ハ}  〃 __ ヽ f⌒∨ }
 レ   l   {ヽ  }\{ }' //ィ乏心〉 }/{ ノ} |
  |/{ .|   ト ∨    '‐´ 乂_ツ    〉 / N
.   ∨{ N⌒゛¬ヽ       ¨´     } {          ……というわけで、これからよろしくな。
    }ハヽヽ   , =               爪 リ
        {ヽ'´     i            ハ/           俺は衛宮士郎だ。
       \'     ` _,  -┐     / } ∨
         ヽ    ヽ  /    / .|_ヽ-―
              >      ̄     <      \__
                >  _ イ               ヽ
                /    _  ´ ̄      \
                | |_/-‐
                >イ ̄    ´ ̄`

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家に連れ帰ってきたメデューサを居間へと案内する。

「よかったのですか」

「ああ。これでいいんだ。俺は、サマナーになる」

「まあ、私もあのまま放り出されるよりかは助かりますが」

そう言うと、メデューサは軽く口角を上げた。

結局、自分はメデューサを手放さない選択肢を選んだ。
このCOMPを使って、悪魔を使役し、悪魔と対峙する道を選んだのだ。

第一、人知れず人間を喰らう怪物の存在を知って、はいそうですかで済ませられない。
自分にできることがあるのなら、やらせてほしい。
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432 名前: ◆x0SRSoJXe.[] 投稿日:2018/05/08(火) 22:07:08 ID:PRimjMIw0 [23/49]

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メデューサいわく、「あるサマナーと衛宮士郎を守護する約束の下、
契約を交わした」とのことで、彼女自身に目的意識などはなく、
強いていうなら自分を守ることが目的らしい。
ちなみに、そのサマナーの名前は「聞くのを忘れた」そうだ。

「時に士郎? そろそろ、対価の話にいきたいのですが」

「ああ……そうだよな。悪魔だもんな。命とか魂とか……」

「そういったものを要求していた時代もありましたが、今はそうでもありません。
主流といえばマッカ……魔界の通貨ですね。他にも生体マグネタイトや宝石
を要求するのが一般的ですが……私が欲しいのは、血です」

「血?」

「はい、新鮮な」
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433 名前:名無し-Red-市民-2[sage] 投稿日:2018/05/08(火) 22:07:17 ID:G6ivraZ60 [2/2]
大丈夫かねえ

434 名前: ◆x0SRSoJXe.[] 投稿日:2018/05/08(火) 22:07:55 ID:PRimjMIw0 [24/49]

:V:.:.:.:/:.:./ レ′  ∨ |/   ij   \;}      \;,}  \:.:}:.:.:.:r-キ
:.:V:./:.:.:/   彡´ ̄ ̄ミh。.,__ _    }:. _jI斗''"´⌒`ミ  }:j!:.:.:.ム
:.:.:`:.:.:.:.}      ,. ―-ミ_`ー一'"   .ノ``-彡-―ミ、   ハ:.:.:.} ``
:.:.:.:.:.:.:.:.}    〃γ芹ミ ゞ        彳γ芹ミ ヾ}  }:.:.ト:.:|
:.:.:.:.:.:.:.:{    〈{  {::::rぅ::}           に )::::}  / .}:ハ:|``
:.:.:.:.:.:.:.ハ     ` 乂:::::ノ    U   {:.  ゝ乂::ノ_    !ハ;!
:.:/⌒ヾ:.:}     `冖'^  \\\\\}:.\\  ̄ \\\}        なっ、ちょっ、おまっ……!
:.| ::::ハヾ;!  \\\\\\\\\\j::\\\\\\| |
寸 :::::}  \\\\\\\\\\\/:::\\\\\\j |
.八 ::::ゝ   U                          从
  .\ ー- 、         ,. ---―- 、        .|/
   }:.≧ト- 、        /-====ー /        J
   从:.:.:.:.:.|.\      〈:::::::::::::::::::::: V      ./
    从:.: !.  \.     ゞ----一''"    ./
      };,;|    \              /
        .|      个s。.          /
        .|      :::::::≧s。..    / |

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「血、というのは正確ではありませんね。血を飲むというのは手段であって、
目的はそれに含まれる精気です。だから、まあ、こちらでも構わないのですが」

メデューサの視線が自分の股間に注がれているのに気づき、はっとなる。

「嫌ですか」

「嫌というか、お前、男女がそういうことになるのは、こう、順序ってもんが」

「ヤマトナデシコというやつですね、分かりますとも。
大丈夫です、ちゃんと血で済ませますので」

言うが早いか、メデューサはぐいと背中に腕を回すと、顔を寄せてきた。
半分以上アイマスクのようなもので隠れているとはいえ、これほどの美女に
近寄られて狼狽えない男はいない。

そうこうしているうちに、メデューサが首筋に歯を突き立ててきた。
痛みに呻くが、すぐに別の間隔に意識を持っていかれる。
歯と一緒に首に触れている唇の感触に、全神経が反応していた。
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435 名前: ◆x0SRSoJXe.[] 投稿日:2018/05/08(火) 22:08:33 ID:PRimjMIw0 [25/49]

:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/:.:.:.:/:.:.{:.:.:.:.:.:/!:.:, ヘ:.:.:.:.:.:.:./乂} \:.:.:.|   ,メ:.:.:}、:.:.:.、:.:.:.:.:.\
:.:.:.:.:.:.:.:.:.:{:.:.:.:,{:.:./\:.:./ ∨  \:.:.Ⅳ    ヾソ  ,/ Ⅵ \:ム:.:.トミ:.:ム
:.:.:.:.:.:.{:.:.} |:.:/ |√~"''~、、_   ヾソ        ,ィi{,.ィizzzzx  }ソ.:.:ハ ⌒ヾ
:.:.:.:.:.:.:V ∨ し  ,.ィizzzzz≧=‐--一     ゞ彳     ヾt、.|:.:.:}:.:|
:.:.:.:.:.:. |     ィi㌢     ヾt、          {i{        }i} |:.:.ハ!
:.:.:.:.、:.:|  U .   {i{           }i}  三ニニ三  {h、     ji} |:./
:.:.:.:.:{:.:|     {i{           }i}           `ゞtzzzzz彳|l|l|          「ふう……ごちそうさまです」
:.Ⅵ:.Ⅵ     ゞt、      ,ィf'′             |l|l  |l| ∨
:.:.Ⅵ:.:.|    |l|l| `ゞtzzzzz㌢´            ヽ
:.:.:.Ⅵ从       |l|l|                 j!     u   ∨
'⌒ヾ:.{                                    |
⌒:... ヾ       J      u                    |
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メデューサの食事が終わると、全身を気怠さが覆った。
精気を吸われるというのは、こういうことらしい。

こんな調子でやっていけるのかは不安だったが、とにかく、自分はサマナーとなった。

これで少しは、正義の味方らしくなれるだろうか。
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436 名前: ◆x0SRSoJXe.[] 投稿日:2018/05/08(火) 22:08:47 ID:PRimjMIw0 [26/49]

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437 名前: ◆x0SRSoJXe.[] 投稿日:2018/05/08(火) 22:11:45 ID:PRimjMIw0 [27/49]

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      ',     ',       ノ ( '''',;) X'i
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          ',  ';;;;', 丶、     '、XXXX',
        ',  ';, _ヽ::::/      '、XXXX',
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翌朝、加賀喜留夫がアタッシュケースを下げて家にやってきた。
住所は伝えてあったから、来ること自体には驚きはなかったが、
その荷物に驚かされることになった。

「干将と莫邪。夫婦剣ってやつだ。本物じゃねえが、名のある刀工に打たせ、
由緒正しい家系の巫女の爪と髪も使用されてる。つまりは魔力を持っている。
こいつを握って戦えば、加護である程度筋力や耐久力も上昇する」

加賀喜留夫が差し出してきたのは、白と黒の双剣だった。
素人目から見ても分かる、見事な一対の剣だった。
螺鈿のような煌めきを放っており、刃は美しい銀色をしていた。

「それからこれ、魔眼殺しの眼鏡。非戦闘時にメデューサにかけさせてやってくれ。
こいつをつけていれば、メデューサの石化の魔眼も封じられる。
その布きれじゃ不便だろう」

渡された眼鏡は、どうも普通のものにしか見えなかったが、加賀喜留夫いわく
特別製らしい。隣のメイヴと名乗る女性が刺々しい目で加賀喜留夫を見ている
ところからして、貴重なものなのだろう。
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438 名前: ◆x0SRSoJXe.[] 投稿日:2018/05/08(火) 22:13:41 ID:PRimjMIw0 [28/49]

                  __、/イ≦ ̄ ̄<≪、、
               __.... イ⌒: : : : : : : : : : : : :⌒ミ=ー
                 ⌒>: : : : : : : : : : : }: : : : : : : : : : :`ヾ
              ノ: : : : /: :/:从: :ノイ: :.i : : : :.j: : : ヽ、
              /: : : :.从/!/ハ/__  ヽ八ヘ: /: : : :Y
                イ: : : : :j ヽ´ ̄ ̄¨`ヾ、、 jハイ:/リ
             У⌒Ⅵ    x===ュ、 `" =≠j/リ
             ヽ{て リ    , , , ,     xrv′       ありがとう、加賀さん。
                   iヘ、j               、, , j
                从У!       ___   "  ;         俺、今日から頑張るよ。
               Ⅵ 、    ヽ  _`ソ /
                ′ \       /           「頑張るって、何をだよ」
                /  :      、_     /
                  /   :      / ̄              まずは町内のパトロールでもしようと思うんだ。
    ____  -<`ヽ     :       ;
   .:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:',   :     /                 エネミーソナーで悪魔を探知できるんだろ?
  .:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:',   ヽ.   j\、、
  .:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:_ .... .へ\ー 、:\ ノ   Y.> ..            それで人を襲ってる悪魔を見つけたら、戦う。
  .:.:.:.:.:.:.:.:..<´        ヽ\    へ j:.:.:.:.:.:.:.:.:.`ヽ.
                   ` 、ヽ     / ;ヘ:.:.:.:.:.:.:.:.:∧

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「ちょっと待て。俺は自衛用にそいつを持ってきたんだぞ?
それに、何もお前がそこまでする必要ねえだろうが。何の得もないだろ」

「損得の問題じゃない。誰かが殺されるかもしれなくて、俺が防げるなら、
防ぎたいんだ」

「要するに、市民を守りたいってのか?」

「まあ、そうだけど」

加賀喜留夫は怪訝そうな目をして、メイヴを見やった。
メイヴが首を振る。すると、加賀喜留夫も納得したように頷いた。
アイコンタクト一つでここまでコミュニケーションがとれるとは、
相当長い付き合いなのだろう。

「分かった。ただし、簡単な稽古をつけさせてもらう。
悪魔と対峙する際の心構え、予備知識、その他諸々だ」

「頼むよ」
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439 名前: ◆x0SRSoJXe.[] 投稿日:2018/05/08(火) 22:14:27 ID:PRimjMIw0 [29/49]

   |  {    |     ハ   '  乂込りイ、`ヽ
   |   '  |  ミ、 i   |ハ ゞ=彡ノ/z i
   |   ヽ .!   ハ:}|i: ! {  '  i  ゞ=ソ i:!
.i   |   ハ:{.  r=彡|{|ノi  |. | ヽ  八
:|   ! >ー从_}{ i ! |.川 i{ `ヽ |   !  ハ 、  ゙
   |{ / ーヽメ 八ハ!{ !ノj_z_j   |  .'{  ヽ
ハ  人ハr=ミ ハ ハ   ノ从 7Zマ.く_ ' | {八
  / }込八irくイ_ノ ノ    i.i゙;;;}j ' ハk , ! i  ヽ
 { :{ゞ=ミ_ノ/    ,  ゞー" / ノ/  |i ゝ          お互い、サマナーで苦労しそうね?
.八 ∧   '' j:i ''     ノ   "″,イ./{  八 `ー
.  ヽ∧   八{_ノ、_       ./rーミ八   `ー -
   \ヽ.      ̄ ´  イハ  }vー 、`ー -
 `ヽ  \>     . ィ´,⌒´     ノ `ヽ
ハ  \  ヽハ≧=彡} `ヽ      `ヽ ハ
  丶.  \   }、 { /           ノ   }
   \   ヽ ノ iト、∨           \  '





                        _ ,............ _ _
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             /:/:.:.:.:.:.:.:.:.ヽヽゝ /:.:.:.:.:::::::::::::::::/:::::{==ノ ::::::/       ええ、正直先が思いやられます。
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        />'"´ ̄ ̄   ヾ、i:::::::::::::::/{{::::::}}  |     l ハ'

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それから、加賀喜留夫に色々なことを教わった。
悪魔の性質や種類、交渉の仕方など、加賀喜留夫は丁寧に解説してくれた。

最後に一つ、念押しされたことがあった。
「悪魔も人間と同じだ。いい奴もいれば悪い奴もいる。だから、悪魔ってだけで
刃を向けることだけは絶対にするな」

それは分かっていた。少なくとも、メデューサに関しては、悪い悪魔とは
思えなかったからだ。

こうして、自分の学生とデビルサマナーの二重生活が始まった。
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440 名前: ◆x0SRSoJXe.[] 投稿日:2018/05/08(火) 22:14:42 ID:PRimjMIw0 [30/49]

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441 名前: ◆x0SRSoJXe.[] 投稿日:2018/05/08(火) 22:17:56 ID:PRimjMIw0 [31/49]

                   .._
                  ,.-‐ ゝヽ'´- .._
               、.. -‐''   ,.‐-´`丶 "、
               >,.   (.,-'`-     丶、
              ヽー,.'   / / ̄_      ` .
              〉,/,    ゙'! i'´,..>___,.    丶.
               {,;'j ;.{ヾ,: `/´ ̄////,`ーi   丶.
               ` ゙'l;i`,////,..--' "" '‐ヽ...__ 丶          人に何かを教えるのは苦手なもんでな……
                   </,'/ ̄\////∧///////,ヾヽ丶
              ,.-‐''"´   ヽ. \'///∧////////゙/ヽ ヽ        実戦形式でいいなら教えるぜ。
             /         ゙ . ヽ////////////i//,'i ;
               / ゙.           ゙   ∨//,'i///////l//,'レ
          _/.   ゙.   ::      ゙  ∨/,'|//////,'!//,_!
           { ̄     ゙.   :       ゙.   V/,l//////,'!‐'"
         / \       ゙.  :       ゙   V,!//////,'
       / 、   ヽ.     ゙   !     、  ゙   V//////
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    ! l.!  i!     ヽ \. 、! ;!  ヽ      ヽ  ゙.   Y
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昼間はいつも通り学校で授業を受け、夕方になると加賀喜留夫に稽古を
つけてもらっていた。

加賀喜留夫の召喚した悪魔、ヨシツネの稽古が一番実りがあった。
源平合戦の源義経と同じ名前のこの悪魔は、「宮本武蔵は俺よりだいぶ後の
時代の人間なんだがな」といいつつ、竹刀で二刀流をやってくれた。
本来、剣道での二刀流というのは、左に短めの竹刀を、右に普通の竹刀を
持つものだが、今回は置いておくとしよう。

ヨシツネがやってみせたのは、右の太刀を後ろに、左の小太刀を
前に構える形だった。

打ち合いにおいては、左の小太刀で受け、流し、払い、右の太刀で
胴や面を狙ってくるスタイルだった。

いわば左はジャブのようなもので、左の太刀で隙を作りつつ、右の太刀で
一本を取りに来る形だった。一本、と言いはしたものの、実際は脇腹やら
目やら脳天やらへの打突や薙ぎが多く、何度か冷汗をかかされた。

「二刀の利点っていうのは、現代の戯画みたいな連続した打ち込みじゃなく、
二刀あるからこその防御の仕方にあると俺は思ってる。でも、お前には
向いてなさそうだな」

ヨシツネはしばらく打ち合いを続けたあと、こう言った。

「まあ、好きにやってみろ。所詮俺も我流だしな。そこの旦那の格闘術やら
短刀やらだって我流だ。結局、自分に合ったやり方が一番ってこった。
無理に俺のやり方に合わせる必要なんざどこにもねえよ」
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442 名前: ◆x0SRSoJXe.[] 投稿日:2018/05/08(火) 22:18:16 ID:PRimjMIw0 [32/49]

                                  ___ト ., ト、
                                   __,.>::::::::::::::::::::::⌒ア
                                    >:::::::::::::::::::::::::::::::::::≧
      ト、                           <::::::::::::::ハ:::::::\:::::::::::::::\
      | \                        厶ィ:::|:::\:|> ^ ∨:::::::::从
      l.   \                       |:::::|\l_/仗ア  V⌒Y {ヽ          思ってたより軽いな……
      |    ∧                          }'^仍       (ノ/リ`
      l  i|   l                           ∧` __   ,'´ マ{           「ちげえよ、お前の筋力が強化されてんだ」
.       i  ∧ ∧                         ヽ`ー ´  イ :! ∨   _,. - ミ
.      ∨ ∧ ∧                       ハ_,. <:::/ |  〉7¨ !////ム
       ∨ ∧ ∧             ト、           ∧/  ,:  //  .|//////\
.        ∨ ∧ ∧             マ:iト .,       ,.イ./ハ / .//   |////////,> 、
         ∨ ∧ ∧            マXX≧s。.,_ r ´ 〈〈-、 /´ /     |////////////iト .,
.          ∨ ∧\ヘ、               マXXXXXXム   \__,/        マ////////\////` 、
             寸 ヘ \ヽ              寸XXXXXX,\           ` ̄` <////マ/////,> .,_
                寸 V⌒ム             寸XXXXXX \             |  ` </v/> ´///
              寸乂ン{<_          , \XXXXXXX` 、              |      .〈////////
              V_彡'く へ マ≧=-  _   ////` マXXXXXXXiト         l      .l////////
               ゝ L/ヽ  }///////////\///////` <XXXXXX> .,_     |       l////////

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実際にあの双剣を握って、ヨシツネと真剣で打ち合いもした。
ヨシツネの剣術は、はっきり言って滅茶苦茶だった。
柄で突く、服を掴む、刀を投げるなどやりたい放題だった。

対して、自分はとにかくがむしゃらに両腕を振り回すだけだった。
剣道の経験はないわけではないので、そこそこは扱えると思っていたのだが、
甘かった。

加賀喜留夫にも相手してもらったのだが、ヨシツネと同じくらい滅茶苦茶だった。
「普段だと砂蹴り上げたり唾吐いたり石投げたりするけれどね。
石は石でもメギドの石だけど」
メイヴがぽつりと漏らす。自分が想像していたより、ずっとサマナーというのは
ダーティーなものらしい。自分にはとても真似できそうにない。

それからというもの、加賀喜留夫は度々夜中に我が家を訪れた。
「昼間に来たら、ほら、色々と迷惑だろ?」加賀喜留夫は申し訳なさそうに、
そう言った。確かに、桜に見られたら色々と怪しまれるだろう。

加賀喜留夫は家に来るたび、武器や道具、他にも何かと役に立つであろう
と見繕ってきたものを持ってきてくれた。

掌に収まるほどの小さな拳銃や、払魔の札などを、全部ただで貰ってしまった。
もちろん、ありがたくいただいた。これから自分がやることは命がけの行為なのだ。
貰い物だろうと、使えるものは全て使うつもりでいかねば。
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443 名前: ◆x0SRSoJXe.[] 投稿日:2018/05/08(火) 22:19:22 ID:PRimjMIw0 [33/49]

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444 名前: ◆x0SRSoJXe.[] 投稿日:2018/05/08(火) 22:21:18 ID:PRimjMIw0 [34/49]

-: : : : : : : : : : \: : : |__,
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:.彡i:/}:∧ノ/!,' ヾ ,,xヘ i≧、
ゞ´ハ{r'ヤ気ミヘ, ,r炒 ニニニ≧=-======- _
ヽ`, ゞ `=´   ヽ  ;ニニニニニニニニニニニニ≧= = ==-_
`"::::..    __,´ /ニニニニニニニニニニニニ/ニニニニニニ≧
\  > ( __ _ソ ,ィニニニニニニニニニニニニ<ニニニニニニニニニヘ
ニ∧    > --´ ゞ、ニニニニニニニニニニ=ニニニニニニニ/ニニミ=、_ _r'ZZ7
ニニニヽ`ー  ´ ,// `Y´ ̄ ̄ ̄ ̄´ Ⅵニニニニニ | /` Y :: :. ヽ////
ニ/"ヽニ\_ _  /ニ/  ノ             //丶ニレ   ::. : :. |''"´
/   丶ニニ`ニニ/  /           xf√レ (:::ヽ ヘ   i | _j,,ィ
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それからは、戦いが続く日々を過ごした。
夜の街を歩き、エネミーソナーを頼りに悪魔を見つけ、人を襲っていれば
これを斃す。これを何度も、何度も、何度も、何度も繰り返した。
気が遠くなりそうな戦いだったが、それでも付き合ってくれたメデューサには
感謝しかなかった。

だが、その日々も長くは続かなかった。

毎日、夜に出歩いていることが桜に気づかれたのだ。
それ以来、桜は必死に自分に夜出歩くことをやめるよう何度も懇願してきた。
自分の目から、ただならぬことをしていると気取ったのかもしれない。
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445 名前: ◆x0SRSoJXe.[] 投稿日:2018/05/08(火) 22:21:40 ID:PRimjMIw0 [35/49]


      |i!i!i!:;:;:!i!i!:;:;:;.: i!i!::圭::::::/
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      人 i!    | `ヽ}i!{   |
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    i i!i! /  ヽ  レ !i! / !
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   i  iノ    /i´゙   /   /
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       _...- '"´ i!i!_....ノ ,'
    l´  }i!{...-イ}i!{    /
   ∨''"゙/  / }i!{ /
      !/"~  }i!!{/
      (_...,,'-"ν  
               
          λ
          (i!!)

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ある日、手傷を負って帰ってくると、門扉のところで桜が待っていた。
メデューサは回復手段を持たないため、仕方なく血を垂らしながら
家まで戻ってくると、涙ながらに桜が抱き着いてきた。

「どうして……どうしてそんなにぼろぼろになって……一体何をしているんですか?
何が先輩をそこまでさせるんですか?」

何も返せなかった。
ただ、自分は、こうしなければならないのだとしか言葉が思いつかなかった。

あの日生き残った時から、衛宮士郎の心は未だに、あの炎の海の中にあった。
衛宮士郎は過去に生きており、現在を生きていなかった。
その心の中にあるのはただ一つの言葉。

許してくれ。
皆を差し置いて生き残った自分を許してくれ。
皆を助けられなかった自分を許してくれ。
せめて、贖いの道を往くことを許してくれ。
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446 名前: ◆x0SRSoJXe.[] 投稿日:2018/05/08(火) 22:25:18 ID:PRimjMIw0 [36/49]

                     _  _
              /: : : : `´: : : `ヽ
             /: : : : : : : : : : : : : : : ,
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           ,: : : : : : r- 、: :>、: : : : : i:,
          ,: : : : : : / てゞっ  ,: : : : :l: ,
             .: : !: : : :,  <斗ヘ ',: : : : l: : ,
            . : : |: : : ,ニニ.=.ニニi : : : :!: : ,
         ' : : :|: : : !ニニ===ニニl : : : l : : ,        …………。
            ': : .:.:!: : ::トー'´ ̄i`ゝー彳 : ,;: : : ,
          ,: : .:.:.|: : :l.ヽ  _ _  イ:.!: : ,::,: : : ,
        ,: : .:.:.:.l: : l:.:r{≧、 _ イ-、:.i: : i::::,: : : ,
        , : :.:.:.:.:.l: : l>ミ三三≧シ、l: : !::::,: : : ,
         />― ´i: : !   、       !: :!≧‐- 。
      〃       l: :lー‐- ∨ /,  -‐!: !     `ヽ
      i   、   l: l    `  ′  l: l       i
      ,.!   ヽ/  !:l   ヽ  〃   ',:! ヽ /   l
    /: !     /> t:i ̄ ` ヽ∨-=≦ ̄li`ヽム.     l',
   ./: : l___./ >‐.!l‐= <_   _>≦三!≧、 i__i: ,
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そのためなら何でもしよう。
自分に払える対価なら如何なる犠牲も厭わない。

そう思っていた。
そう思って、生きてきた。

その日が、来るまでは。
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447 名前: ◆x0SRSoJXe.[] 投稿日:2018/05/08(火) 22:25:44 ID:PRimjMIw0 [37/49]

'''-、゙゙ア'"             {,゙二、,,-、;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;r‐┘ : :lニ;;.    
  ...l′   :l";二゙''''┐       ,l´;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヽ-'''''-、           ['l、
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.l´|;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;.ン- /     ゝ-..、;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;¬';;ナ'             l7   l
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それから二日経った日、いつものように悪魔を斃し、家に戻ってくると、
家の戸が開き放たれていた。

桜が閉め忘れたのかと思ったが、すぐにそうではないと分かった。
廊下に点々と続く血の跡。それが何が起きたかを如実に表していた。

急いで血の跡を辿り居間まで行くと、倒れ伏す桜と、見知らぬ男がいた。
男は拳銃を握りしめ、こちらを振り返るや否や銃口を向けてきた。

「てめえか! 人の獲物を食い荒らしてる新人っていうのは!
てめえのせいで商売あがったりだ!」

怒鳴り散らす男の声など耳に入ってこなかった。
血の池の中で倒れている桜の姿だけが、目を通して脳に焼き付いていた。
瞬間、自分の腹の奥に熱いものを感じた。

剣を抜き、男に斬りかかる。
だが、刃が届く寸前に、男の仲魔と思しき悪魔が自分を吹き飛ばした。
燃えるような橙色をした、双頭の獣だった。
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448 名前: ◆x0SRSoJXe.[] 投稿日:2018/05/08(火) 22:30:48 ID:PRimjMIw0 [38/49]

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すかさずメデューサが自分の背後から躍り出て、魔獣に回し蹴りを入れる。
魔獣が吹き飛び、壁に叩き付けられるが、すぐさま起き上がり、
口から炎を漏らしながらメデューサへと飛びかかった。

メデューサが相手の仲魔を抑えている今が好機だと、頭で理解する前に
体が動いていた。

男が引き金を引き、銃弾が自分の脇腹を抉る。
だが、溢れ出る怒りと興奮によるおかげか、大して痛みは感じなかった。
焼き鏝を押し付けられているような感覚に襲われるが、怯まず、剣を振り下ろす。
自分の袈裟斬りは敵の肩口を捉え、そのまま真っ二つにした。
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449 名前: ◆x0SRSoJXe.[] 投稿日:2018/05/08(火) 22:31:55 ID:PRimjMIw0 [39/49]

  /-..,_       `'ヽ;;|'\;;;;;;|`''-,!''\_\::::`':....    \.:       `--'"             /   /          ,.-'/
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Y"  r---''''''')     \.. :::',;;!_.!.::::'''--.,_\      `'''''-.,|_       '!             ,レ"         ./   /
| r"  ,.--く   ,.     'ト::' .:!|`'       `'-..,_        `'i,     |            r"         ./     /
 '.,! /''" ,,.レ''''"     'L_:'_.'....           \       :::',    .!           |         /     /|
  \j  Y"----.,_     |\:.               `.:.    .:::::::|    |          /       /       ! |
   \ L:::::...         |: '、...:.       :::::::::' ::::::..:'" .:::::::::'::|    |         !     /         / |
     \`!''::..._       .|:. \::      ....:::::::"::::::":ト., :::::::::' ::|     ヽ        /    /         ./ /
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「桜!」

剣を投げ捨て、桜へと駆け寄る。
抱き寄せると、桜は息も絶え絶えに、自分の顔を見つめてきた。
「先輩……」

自分を認識すると、桜は小さく微笑み、「よかった、怪我、ないですね」と零した。

「馬鹿、自分のことを心配しろ! 待ってろ、今、止血を……」

正直、桜は血まみれで服もずたずたになっており、どこが負傷しているのか
分からなかった。

恥ずかしがっている場合でもなく、乱暴に服をめくると、自分の血の気が引いて
いくのが分かった。

左胸の辺りに、ぽっかりと穴が開いていた。

「桜……嘘だろ……?」

桜が。桜が死ぬ。そう考えた時、世界が色を失った。
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450 名前: ◆x0SRSoJXe.[] 投稿日:2018/05/08(火) 22:35:37 ID:PRimjMIw0 [40/49]

三三三三三 _____.|┃┃
三三三三 /.  ::::::::::::|┃┃
三三三../     :::::::::::|┃┃
三三 /   (●) ::(●)|┃┃
.三三|.  (トェェェェェェェェイ|┃┃
三三 \ . \ェェェェェ/|┃┃       おい、戸が開いてたぞ……
三三 /       :::::::::::::.|┃┃
三三 / i    :::::::(.二つ┃       っと、非常事態みてえだな。
三三{ ミi    ::::::::::.二⊃┃
三三l ミii   ::::::::::::ト、二)┃
三三| ミソ     . :::::::.`ト-'. ┃

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
気が付くと、加賀喜留夫が後ろに立っていた。

加賀喜留夫は桜を見ると、「ちょっと待ってろ」と桜の前で屈み、
鞄からお香らしきものを取り出した。

「おい、あんた! ふざけんなよ! 桜がもうだめだって言いたいのか!」

「落ち着け、黙って見てろ」

呑気にお香を焚きながら、呪文を唱える加賀喜留夫の後ろで、
自分は怒りと絶望感に打ち震えていた。

桜が死んでしまった。
自分の責任だ。自分が夜中に出歩きなどしていなければ、桜もこうして
夜に家に来ることもなかっただろう。
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451 名前: ◆x0SRSoJXe.[] 投稿日:2018/05/08(火) 22:37:35 ID:PRimjMIw0 [41/49]

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             /: : : : フ''‐-;,;,__;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;`;,;,;,;,;.:.:,;,;,;,;,;,;,;,:.:.:.:.:,;,;,;,;,;,;,;,;ri;,;,;!
              / : : /     ;  ̄¨'''フ--;,;,;,__;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;/ !;,;l       桜っ……!
          ,r‐'´: /      ; ,r''''´    _,,/  ̄¨¨;'''‐--;,;,__;,;,/   !,;;!
     ___,, -‐'''''’;, ;,;,/         /     /        ',     ' ,     レ′
-‐'''¨¨:.:`、: : : : : : : : l         ,r''′   /     ;          ' , /
_;,;.:-:.:'':.¨:`、: : : : : : :l      ./     /      ;            /
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.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:`、:' :,: : ヽ _____,,,,, -i‐‐''´         ;      _,,-'"
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顎が濡れている。指で触れると、血がついていた。唇を噛み切ったらしい。
脇腹を撃たれたこともすっかり忘れていた。最早自分の痛みなどどうでもよかった。

桜、桜が、自分のせいで。

その事実だけが重くのしかかり、心に罅を入れていく。
瞼を閉じ、ひざを折り、意識を手放そうとする。

そこに、誰かが抱き着いてきた。
「先輩っ」

耳元で囁かれ、目を見開く。
そこには血まみれではあるものの、生気を取り戻した桜がいた。
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452 名前: ◆x0SRSoJXe.[] 投稿日:2018/05/08(火) 22:37:50 ID:PRimjMIw0 [42/49]

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                         └──────┘

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                               ・

453 名前: ◆x0SRSoJXe.[] 投稿日:2018/05/08(火) 22:38:04 ID:PRimjMIw0 [43/49]

           ____
         /     \
       /         \       ……あのよ、お前、何がしたかったんだ?
      / (●) (●)    \
      | (トェェェェェェェェイ)    |     「俺は……正義の味方に……」
      \ \ェェェェェ/   /
 ⊂ ヽ∩  >          \      たった一人守れないで、何が正義だよ。
  '、_ \|               |
     \ \      /  /

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
桜を客間で寝かしつけた後で、庭で加賀喜留夫と二人で話した。

「あのな、正義っていうのは主張するもんじゃなくて行動に宿るもんだ。
今までのお前の行動を正しいと思ってくれる人が何人いると思う?」

「……それでも、俺は。俺は正義の味方になりたかった。
誰かを助けられた時だけ、少しだけ楽になれた。
誰かの役に立てている時だけ、生きることを許されている気がした」

「そうか。お前は、救われたかったんだな」

救われたかった。そうかもしれない。
結局、自分は偽善者だったわけだ。誰かのためと言い張り、自分の存在を
肯定するためだけに動いていた。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

454 名前: ◆x0SRSoJXe.[] 投稿日:2018/05/08(火) 22:48:02 ID:PRimjMIw0 [44/49]

             ____
           /      \
          /         \
        /   (●) (●)  \      でも、それはこれまでの話だろ?
        |   (トェェェェェェェェイ)   |
        \  \ェェェェェ/   /      今はどうなんだ? 今のお前は、どうしたい?
 r、     r、/          ヘ
 ヽヾ 三 |:l1             ヽ
  \>ヽ/ |` }            | |
   ヘ lノ `'ソ             | |
    /´  /             |. |
    \. ィ                |  |

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
「あのな、お前は人間を買い被りすぎなんだよ。人が一生の内に守れる人間の
数なんて、精々数人程度だ。家族だったり、恋人だったりな。
でもな、それでいいんだよ。たった数人でいいんだ。人の生涯なんてそんなもんだ。
市民を、人類を、世界を、なんてのはな、人間のやることじゃねえ。
神様のやることなんだよ」

「俺は……」

「俺にも守るべきものがある。生きる意味がある。お前はどうだ?
お前はこれからも、顔も知らない誰かの赦しを得るために生きるのか?」
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

455 名前: ◆x0SRSoJXe.[] 投稿日:2018/05/08(火) 22:52:48 ID:PRimjMIw0 [45/49]

                         ┌──────┐
                         │::::::::::::::::::::::::::::::::│
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                           └───┘

                             ┌─┐
                             │ :: │
                             └─┘

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                               └┘

                                   □

                               ・

456 名前: ◆x0SRSoJXe.[] 投稿日:2018/05/08(火) 22:58:33 ID:PRimjMIw0 [46/49]

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             ⅱ:.:.|:.:.|:.:.:,| -‐ト、:.:\:|   ノ う⌒)ノ     〉:/し′:;. } 〉
             八:.:.:、人:.:.:.、,斗=ミ:.:.:.\   `~゙´    _/_     `、/
           (  \:.:\\《 う )`¨¨⌒       / ⌒¨\\  ,.イ          先輩、学校、行きましょう?
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                  Ⅴ 冫 //=`/         /...__            ゙゙̄''   /
                   〈//=//         /    ̄ ‐-   ̄ ̄``ヽ、  /
                    / /==/ _/         ハ               `、(/
                 / L彡 ;′            | |                    丿
                  ;′  . : : :{          丿乂           /  /

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あれから、COMPを持って夜の街を練り歩くことはしていなかった。
積極的に人を襲う悪魔がいれば、政府からサマナーに討伐依頼が出される。
基本的にそのサマナーたちに任せておけばいいと、加賀喜留夫は言っていた。

自分に何ができるのか、何がしたいのか、今一度よく考えてみた結果、
自分はCOMPを手放すことにした。

今は、これまでどおりの日常を過ごしている。
桜と一緒にいること。それが、桜を守ることに繋がると信じて。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

457 名前: ◆x0SRSoJXe.[] 投稿日:2018/05/08(火) 22:58:47 ID:PRimjMIw0 [47/49]

           ___ _ゝ==ヘ、  ___
           >.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:`´.:.:<.
         < ̄:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ.
        / ̄.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ゝ
       /:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヾゝ
        ̄/:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|′
         !/!:.:!:.:/ハ:.|:.ト、:.ト、:.|ヾ|ヘ!ヽ!:.:.:.:ヾ!
         ∨レヘL_」ヘ!ヾ}、,りrt≦二リr‐:.!          ……ああ、行こう、桜。
            rラ __     r==、 レゝ }}
            !ヘ'" ̄`          ソノ
           ヾヘ  ′___    /リ
               \ ` ー ´  /  |
               \__ / /  |
             「::::||::|  「| ̄ ̄ ̄ ̄|
           __,,、r┤:::||┘ |:|_:_:::::::::::::¬ ̄`ー...、,,_
     rー..'':::"´:::::::::\::::|| 、 _|:|::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::`::ーr、
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     |::::::::',|::::::::::::::::::::::::::||   !:!::::::` ̄ ̄ ̄´::::::::::::!:/::::::::::::::::!::::i

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
誰かを守ることができたのなら、その誰かが、桜であってほしい。
そうだ。

自分は、桜だけの正義の味方になるのだ。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

458 名前: ◆x0SRSoJXe.[] 投稿日:2018/05/08(火) 22:59:54 ID:PRimjMIw0 [48/49]

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  /      , '´:`.、-‐'
  ,!,,,,,,,,,,,,__  ',:.:.:.:.:ヽ
 f":::::::::::::: ̄`ヾ、:,;/,!
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 ヽ,;__'、;;;;;;;;;;;____;イ
.  `ー'    `ー'
                ~また次回~

459 名前:名無し-Red-市民-2[sage] 投稿日:2018/05/08(火) 23:01:46 ID:DlhT38360

破綻度が原作より低い士郎がちゃんと諭してくれる人に出会ったらこうなる的な話やね

460 名前: ◆x0SRSoJXe.[] 投稿日:2018/05/08(火) 23:03:11 ID:PRimjMIw0 [49/49]
>>459
そら(魔術もこの世界にはなけりゃ切嗣と過ごした時間も短く影響も少なけりゃ)そうよ

461 名前:名無し-Red-市民-2[sage] 投稿日:2018/05/09(水) 09:30:52 ID:k7UoDJyk0


462 名前:名無し-Red-市民-2[sage] 投稿日:2018/05/09(水) 14:32:38 ID:JoV7eCk.0
おつおつ
くろまくはさく(ry


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[ 2018/07/19 05:42 ] 【R-18】雇われサマナーキル夫 | TB(-) | CM(0)
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